――最後まで、エビちゃんらしく。阪神と中山に別れ、最後の騎乗を見届けることはできませんでしたが、エビちゃんは、自らのラストデーに区切りをつけるような鮮やかな騎乗で、2勝。最後の最後まで、あの頃のまま……蛯名正義は不器用で、生真面目で、競馬が大好きで、でも、やるときはやる男でした。エビちゃん、長い騎手生活、本当にお疲れ様でした。寂しくないと言えば嘘になります。でも、これからは一緒に夢を追いかけていける立場に変わるので、蛯名厩舎からの騎乗依頼、首を長くしてお待ちしています。

 エビちゃんと同じ2月28日、美浦の星野忍調教師を含め、8人の先生がターフに別れを告げました。先進的でいいと思ったことは、どんどん取り入れていくタイプの角居勝彦先生との思い出は、牝馬を超えた名馬中の名馬、ウオッカです。2着ダイワスカーレットとの差が、わずか2センチ。日本競馬史に語り継がれる大接戦となった2008年の天皇賞(秋)は、僕にとっても大きな勲章です。

 そのダイワスカーレットに加え、キングカメハメハという、僕にとって大きな脅威を感じる馬を育てあげたのが、松田国英先生です。逆に、味方になったときは、頼れる先生でした。NHKマイルCとジャパンCダートという、芝とダートのG1を制した怪物クロフネ。僕に3個目のダービージョッキーという称号をプレゼントしてくれたタニノギムレット――松田国英先生、本当にお世話になりました。

 石坂正先生といえば、ヴァーミリアンです。川崎記念2勝。JBCクラシック3連覇。ジャパンCダート、東京大賞典、フェブラリーS、帝王賞と、実に9個のG1勝利は、見事としか言いようがありません。

 同じジョッキーの立場で一緒にレースに乗った田所秀孝先生、西浦勝一先生、湯窪幸雄先生にも、かわいがっていただきました。

 お世話になった先生たちに、僕なりの餞を贈りたいと思って騎乗した2月27、28日の競馬は、2日間で4勝。中でも、クラシックを意識して乗った3歳オープンのすみれSでは、ディープモンスターが断然の1番人気に応えて圧勝。先人たちが築いてこられた競馬を引き継ぐ者としては、ファンの期待に応え、夢を先につなげたことで、ほっと胸を撫で下ろしました。馬がまだ幼く、強力なライバルたちと、どう戦って行くのか。まだまだ、課題は山積みです。でも、それを一つずつクリアした先には、きっと、でっかい勲章が待っているはずです。

 大阪、愛知の緊急事態宣言が解除され、この原稿を書いている時点では、阪神、中京は、事前にネット予約した方のみ、入場がOKになりましたが、感染状況によっては、まだまだ、どうなるか分かりません。満員のスタンドでまた競馬ができるようになるその日まで、ターフを去った方々の分まで、残った僕らで競馬を盛り上げていきたいと思います。

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