■仕事を選んだ奈未が抱く夢は叶えられるのか

 奈未は潤之介と別れることを選択するわけだが、ある程度のキャリアがあればどんな土地でも同じ職種の仕事をすることは可能だ。雑誌編集の仕事ならば、地元の情報を扱う地域情報誌や企業の広報部で社内報を制作するなどが思い当たるが、ある程度の経験と実績がないと厳しいだろう。奈未は、社会人としてまだ走り始めたばかり、今の職場で編集の仕事に手ごたえをつかみたいだろうし愛着もあるだろう。また、同僚との付き合いも良好で、仕事のしやすさといった点でも転職をするのは得策ではないと考えられる。このへんの苦悩や葛藤の描写が少ないから、奈未が安易に結婚をOKしたり断ったりしているように見えてしまったのは少し残念だ。

 とても好きな人がいて、その人と付き合うことになって、結婚したいと思えるなんてそうないことだ。ましてや、その人からプロポーズを受けるなんて奇跡みたいなものだろう。この広い世界で、そんな素敵な人に出会えることなんて人生に何度あるだろうか。

 それなのに、結構サラッといろんなことを決めてしまったような印象なのだが、23歳の奈未にとっては大きな選択だったのだと思う。そして、潤之介と出会ったベンチを見ながら想い溢れて泣いているところに、中沢(間宮祥太朗/27)が登場するのが上手すぎる。

「お前が、また泣いてる気がして」

 奈未が心配で仕方ないといった表情で言葉をかける中沢。「俺ならお前のこと泣かせない」と言った6話から、すっ飛んできたみたいな熱い台詞に震えてしまう。このタイミングで優しくされてしまう奈未がどう思うのか。

 次回は最終回、それぞれの選択に注目していきたい。

(文・青石 爽)

『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』は、大手出版社から新創刊される女性向けファッション雑誌編集部を舞台にしたオリジナル脚本。鈴木奈未(上白石萌音)は地方の田舎町で生まれ育ち、普通・人並み・安定を求める平凡な女性。ひょんなことからファッション雑誌の編集部で働くことになり、超ドS上司・宝来麗子(菜々緒)に振り回されたり、子犬系イケメンカメラマン・潤之介(玉森裕太)にキュンとしたりと、仕事に恋に悪戦苦闘しながらも成長していくお仕事&ラブコメディードラマ。1月12日から火曜日22時、TBS系で放送。

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