日本ダービー当日の昼。騎乗騎手紹介のイベントで見上げたスタンドには、競馬に熱い視線を送るファンの姿がありました。この日の有料入場者数は4367人。世界でも有数の規模の東京競馬場は、最大で20万人のファンが入ることができる大きな競馬場です。数字だけ見ると、このプラチナチケットを手にすることができた人は、わずか2%強。スタンドが揺れるような大歓声も、熱い声援も、思わず苦笑いを浮かべてしまうようなユニークなヤジもありません。あるのは、まばらな拍手の音と、シャッター音だけ……。

 でも、開門前から列を作り、検温と手の消毒をして待っていてくれたファンの思いは、間違いなく僕ら騎手にも伝わってきました。世界中がコロナ禍に見舞われ、こうして競馬が開催できているだけでも幸せなことです。それは十分に分かっています。一時は、昨年と同じ無観客でもしかたがないか、と諦めかけていたこともありました。だからこそ、第88回東京優駿、日本ダービーを見守ってくれた4367人の精いっぱいの拍手に、馬も人も、勇気をもらいました。

 ゴール前の激しい叩き合いを制し、ダービー馬に輝いたのは、シャフリヤール。父ディープインパクト、母ドバイマジェスティ。ダービートレーナーは、藤原英昭先生で、ダービーオーナーは、サンデーレーシング。そして、ジョッキーの誰もが、そう呼ばれることを願っている“ダービージョッキー”の称号を勝ち取ったのは、福永祐一騎手です。

――ユーイチ、おめでとう。一発を狙った僕とディープモンスターは16着。なかなかペースが上がらず、早めに外から上がっていきましたが、最後はまったく抵抗できませんでした。また一つ、競馬の難しさを思い知らされたような気がします。事前に馬と打ち合わせができたら、違った戦法を取れたんでしょうが、それは、ないものねだり。一生かかってもつかめないだろう、正解を求めて、また、一から出直しです。

 6月2週、今週末に予定されているJRAの重賞競走は2つ。どちらも13日、日曜日の開催で、一つは東京競馬で行われるG3エプソムC。もう一つは、札幌競馬場を舞台に行われるG3函館スプリントSです。

 僕が参戦するのは、エプソムCです。騎乗馬は大きな勲章をプレゼントしたい、そして取れる力は十分にあると思っている、マイラプソディに決まりました。前走、5月15日に行われたリステッド競走の都大路Sは、最後の直線を向くまでは順調そのもので、「これなら、いける」と思ったほどの手応えを感じていました。ところが、直線を向いた後の反応がイマイチで、結果は1馬身差の2着。次は間違いなく良くなるはずなので、「今度こそ!」という思いです。

 梅雨空を吹き飛ばすようなスッキリした勝利を目指して、今週も全力騎乗です。

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