今年４月からのドラマは、ざっとラインナップを見るだけでも面白そうなものばかり。勝手に期待のハードルをどんどん高くしてしまっているが、その中でも『大豆田とわ子と三人の元夫』（カンテレ・フジテレビ系）の「外さない感」はすごい。
松たか子（４３）演じる主人公・大豆田とわ子はバツ３。その元夫を松田龍平（３７）、東京０３の角田晃広（４７）、岡田将生（３１）が演じるというから、最高に面倒くさい感じがアリアリと予想される。感情表現が苦手そうな役をさせたらピカイチの松田龍平と、すべてが空回りする役をさせたらピカイチの角田晃広も楽しみだが、私はウザい役をする岡田将生が大好物である。
映画『悪人』のクズ大学生・増尾や『告白』の浅い情熱をひけらかす教師・ウエルテル、『謝罪の王様』の女性への対応がゲスい沼田など、本当に良いクズっぷりだった。整いすぎたルックスを武器にし、口の歪み方ひとつ変えるだけで、繊細で優しい男性からデリカシーのない冷徹男まで、振り幅広く演じる。今回、予告を見た限り、最初はデリカシーがなさそうな感じからスタート。回を追うごとの変化を含め、とても楽しみである。
楽しみなのは男性陣だけではない。脇を固める女性キャストに、ドラマ界の宝がズラリ！ 市川実日子（４２）、高橋メアリージュン（３３）、石橋静河（２６）、瀧内公美（３１）。よくもまあここまで支えどころが分かっている、実力派が顔を揃えたものだ。多少、脚本が面白くなくとも、彼女らの演技力で乗り切れそうだが、脚本は、これまた面白くないはずがない、坂元裕二（『カルテット』『花束みたいな恋をした』）。恐ろしいドラマになる予感しかない。
