生駒里奈
生駒里奈

なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
乃木坂46 生駒里奈(後編)

 生駒の魅力はパフォーマンスにあるといっても過言ではない。それは表情であり、仕草であり、存在感でもある。生駒はそれをナチュラルに体現してきたメンバーだ。

 生駒の存在を印象づけた作品として挙げられるのはやはり4thシングル『制服のマネキン』だろう。本作のMVは夜中の学校を舞台にダンスを繰り広げるというもので、これまでのフレンチ・ポップス的な3作品と比べてガラッと趣向が変わり、クールでメッセージ性の強い楽曲になっている。

 その中で、生駒はあどけなさを残しながらも奥底に秘めた強さを感じさせる表情を見せ、その後の生駒のベースとなっていった。

 MVの監督を務めた池田一真は生駒について「生駒里奈さんの表情や存在感が印象に残っています」(月刊『MdN』2015年4月号)とコメントしているように、同作における生駒が見せたパフォーマンスには見る人を惹きつけるものがあった。以降、生駒の表現力は強みとして語られるようになる。

 6thシングルで白石麻衣にセンターが変わってから、生駒は2列目、3列目のポジションが増えていくが、むしろセンターを務めていた頃よりも、乃木坂46の顔としての強い説得力が感じられた。

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