■それぞれのエピソードは良いが…
そして、酔った勢いでパソコンが入ったカバンを川に投げ捨てると、そのまま自宅に引きこもってしまう。つむぎが心配して部屋に入ると、里穂子は一週間風呂に入らず、まともな食事をとっていない、廃人寸前になっていたという。
一方、春斗には実家の部屋に引きこもっている兄・俊春(毎熊克哉/34)がいる。非の打ちどころのない順風満帆の人生を歩んできた兄だが、4年前、突然、怪しい“幸福の水”のマルチ商法にハマったことから人生に挫折したという。
春斗がコント師の道に進めたのは、しっかり者の兄がいてくれたおかげで、マクベス結成の頃から一番応援し、理解してくれていたのも兄だった。そのため、春斗は、自分も兄を追い込んでしまった一端を担っていると感じていた。
里穂子と春斗、それぞれの独白で語られるエピソードは、涙を誘う切なさがあるものの、笑ってしまう面白さもあり、冒頭のコント「奇跡の水」から伏線が回収されていくごとに、気づきの快感も得られる、良質な悲喜劇の回だった。
それなのに、視聴率が伸び悩んでいる理由は? 考えてみると、これまで5人の過去のエピソードが面白切なく描かれている反面、マクベスの解散宣言以降、話が進んでいないことが思い当たる。それが、見終わったあとのモヤモヤした違和感に繋がっているのだ。