乃木坂46「個人PVという実験場」
第18回 個人PVに現れる「都市」5/6
■乃木坂46と渋谷の深い関係
前回更新分(https://taishu.jp/articles/-/94282)でふれた、乃木坂46の26枚目シングル収録曲『Wilderness world』MVには、栃木県足利市に設営された「渋谷スクランブル交差点」を再現したオープンセットが使用されている。日本で最も繁華な場所の一つを舞台にしつつ、街の広域を用いてフィクショナルな光景を実現するために設えられた精巧なセットは、映画等への一時的な活用ののちスタジオとして存続することになり、そして『Wilderness world』MVでの使用に繋がった。
メンバー個別の演技カット等はともかく、楽曲参加メンバー全員が一斉にダンスするさまを実際の繁華街の只中に配置することは、やはり現実的でない。それゆえ、同MVのなかでもとりわけダンスシーンにおいて、この「虚構の渋谷」のオープンセットが最も印象的に使われている。
とはいえ、乃木坂46のフィルモグラフィーを振り返ると、まさに彼女たちのダンスシーンを実際の渋谷の繁華街に置くための創意もまたうかがうことができる。
https://www.youtube.com/watch?v=-USHcV55s8A
(※「夏のFree&Easy」MV Short ver.)