■品の良さと軽妙な演技のマッチング

 1980年代、田村さんはそれまでの二枚目路線から一転、1984年8月期のドラマ『うちの子にかぎって…』(TBS系)から三枚目の役も演じるようになった。

「田村さんの三枚目を演じた作品はいずれも名作ですが、中でも特筆すべきは1987年1月期の『パパはニュースキャスター』(TBS系)ではないでしょうか。この作品で田村さんは『ニュースチャンネル』というTBSで放送されている架空のニュース番組のキャスター、鏡竜太郎役を演じました」(前出の夕刊紙デスク)

 ニュースキャスターというお硬い職業でありながら、鏡は酔ってしまうとすぐに女性を口説いてしまうナンパな一面も持っている。この作品では、口説いた女性との間に生まれた3人の娘が鏡の家に転がり込んで、共同生活を送るストーリーが展開された。

「鏡が生意気な3人の“愛(めぐみ)”に振り回される姿は、『ニューヨーク恋物語』であったようなダンディさはなく、ちょっと情けなくて、どこにでもいる普通のお父さんのように見えてきて、大俳優であることを忘れるほど親しみやすいキャラクターを作り上げています。

 また、所ジョージ(66)演じる、押しの強い隣人の松本保との掛け合いも絶妙で、笑いを誘ってくれます。田村さん持ち前の品の良さと軽妙な演技とのマッチングが、非常に心地良い作品になっています」(前同)

『ニューヨーク恋物語』で共演した岸本は、田村さんの訃報に「突然の訃報に身体の震えが止まりません」とし、「もう1度“正和さーん”と抱きついて甘えたいです。寂しいです」と、コメントしている。

 二枚目も三枚目も完璧にこなして、テレビ史に残る数々を名作品を残した田村さん。心から哀悼の意を表します。

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