■新設ではなく“復活”となる月曜22時ドラマ
実は1985年10月から1996年3月までの約10年間、フジテレビ系の月曜22時は関西テレビ制作のドラマが放送されていたことがあったのだ。
「月曜のフジテレビのドラマといえば“月9”のイメージが強いですが、“月9”は1987年4月に作られた枠なので、22時台のドラマのほうが古いんです。
かつて“月9”では『君の瞳をタイホする!』や『東京ラブストーリー』といったトレンディ路線が爆発的にヒットしていたのとは対象的に、月曜22時台は『西村京太郎サスペンス』『旅情サスペンス』といったように1クールごとにテーマが設けられ、1話完結型のサスペンスものを放送していました。
1994年4月以降は中村雅俊さん(70)主演の『君を想うより君に逢いたい』など通常の連ドラも放送されるようになり、1996年3月をもって終了。翌月から関西テレビ制作のドラマ枠は火曜22時台に移り、月曜22時は関西テレビとフジテレビの共同制作で、SMAPの番組『SMAP×SMAP(スマスマ)』の放送が始まりました」(民放キー局ディレクター)
浮上しているというプランが実現すれば、月曜22時のドラマ枠は新設ではなく、四半世紀ぶりに復活することになるのだ。
「ただ、以前のドラマ枠はサスペンスものメインで、シニア層に受けるようなドラマが多かったですからね。昨今は、若者をターゲットにしたコア層の視聴率が重視される時代ですし、放送されるドラマのカラーもガラリと変わるでしょう。実際、噂される10月からの綾野さん主演作もその流れに乗ってのことでしょう。
しかも、綾野さんの作品は刑事ドラマと言われています。その前枠の“月9”では『ラジエーションハウス』という医療ドラマなので、視聴率がきっちり取れる2つの鉄壁のジャンルを並べてきている。フジテレビは攻めた編成ながら、手堅いジャンルのドラマを並べて、本気で月曜日の夜を制しにいっている感じがしますね。
また現在は、TVerやフジテレビのFOD(フジテレビオンデマンド)といった、動画配信サービスでどれだけ視聴されるかも非常に重要です。FODは月額定額制なので、ドラマが見たい視聴者が契約してくれれば、貴重な放送外収入になってきますよね。
そして、地上波放送、配信での好調の先には、映画化があります。フジテレビには、2018年夏に公開された『コード・ブルー ードクターヘリ緊急救命ー』の劇場版での、興行収入100億円近い成功体験があり、常に二匹目のドジョウを狙っているといいますね。
噂される窪田さん、綾野さんという大人気俳優の主演作2時間コンボで、“ドラマのTBS”のお株を奪って、“ドラマのフジテレビ”を印象づけたいのではないでしょうか」(前出のドラマ制作会社関係者)
実現すれば、超異例の編成でフジテレビが挑むTBSの牙城。果たして高い壁を崩せるだろうか!?