■大団円に向けて取り組むのもアリではないか
また、水谷・反町コンビの場合、これまでに相棒にゲストとしてオファーしてこなかった主演級大物俳優などを犯人役に迎えてもうまくハマる。大団円に向かっては、そういう取り組みをするのもいい。
もっとも、そう言いつつも、最後の相棒として、たとえば阿部寛(57)や唐沢寿明(58)が起用されるサプライズ人事があれば、それはそれで盛り上がることは間違いない。そのレベルのキャストなら世界観にすぐ馴染めるのは想像できる。
結論としては、以前にあった「相棒交代の楽しみ」も、シリーズ長期化の中でもはや「シリーズ終了へのクライマックスへの期待」に変わりつつある。『水戸黄門』(TBS系)的エンタメとしてのマンネリは、内藤剛志(66)が同じくテレ朝の刑事ドラマ『警視庁・捜査一課長』で近年極めてきているので、相棒は相棒らしく、おふざけすることなく、脚本、ゲスト、キャストの一部入替で活性化を図りながら、伏線回収だけでなく、人間模様などもう一段深みのあるドラマに回帰していってほしい。
視聴者が心待ちにしているのは「新しい相棒」ではなく、「これまでの相棒を締めくくるクライマックス」なのかもしれない。それだけに、反町には今秋のシーズン20で頑張ってほしい。(ドラマライター・綾瀬オードリー)