大相撲「名古屋場所」特集!注目の若手2人を直撃「豊昇龍&宇良」インタビューの画像
豊昇龍

 進退を賭けて挑む横綱・白鵬、大関・照ノ富士の「綱取り」など話題満載の大相撲名古屋場所、注目を集めているのが、活躍目覚ましい「朝青龍の甥」の豊昇龍と、再入幕の業師・宇良の「元気者コンビ」だ。まずは先場所、2大関を倒して波に乗る豊昇龍から、直撃インタビュー!(取材・文/武田葉月 ノンフィクションライター)

■朝青竜の甥が語る「W横綱秘話」

――先場所は初の上位挑戦。4大関と当たって、朝乃山、正代を撃破しましたね。

豊昇龍(以下、豊)4大関と対戦すると分かった時点で、「絶対1人は倒したい」と思っていましたが、照ノ富士関(6日目)、貴景勝関(7日目)との対戦では、緊張して自分の相撲が取れなかった。「勝ちたい!」という気持ちが強すぎて、「楽しむ」ことを忘れていたんですね。それで、「なんでもいいから、相撲を楽しもう。思いっきり相手に当たっていこう!」と気持ちを切り替えたんです。

――8日目の朝乃山戦では内掛け、9日目の正代戦では外掛けと、2日連続で鮮やかな足技が決まりました。

豊 朝乃山関に勝ったときは「アッ、勝ったぞ!」って、フワーッとした気持ちになりました(笑)。幕下の頃、朝乃山関と1回稽古したことがあるんですが、速攻で吹っ飛ばされた。そこで、こういう突進力についていける体を作らなければ、と誓いましたね。その頃は、まだまだ体が細かったので。正代関に勝ったときには、師匠(立浪親方=元小結・旭豊)とグータッチして、喜びを分かち合いました。大関を倒すというのは、本当に自信になりましたね。

――朝乃山戦で勝ったときの懸賞金は、師匠にプレゼントされたとか?

豊 そうなんです(笑)。大関戦初勝利の記念です。入幕して、初めて懸賞金をいただいたときにも、師匠にプレゼントしたんですよ。「よかったな!」と喜んでもらえることがうれしくて。

――豊昇龍関といえば、66代横綱・朝青龍関の甥っ子ということでも有名ですね。

豊 小さい頃から、憧れの存在でしたね。今、モンゴルに住んでいる叔父さんは、ちょくちょくツイッターを更新しているんですが、本場所のときは大相撲の話題が多いんですよ。僕の相撲に辛口のツイートが多いんですけど、夏場所、大関戦で勝ったときだけは、褒めてくれました(笑)。それなのに、負け越してしまったのは情けなかったです。ツイッターでいつも励ましてくれるのはうれしいんですが、逆に、「負けたら、怒られそう」と思っちゃって一番のプレッシャーなんですよね。取組相手のことよりも、叔父さんのことを考えてしまう(笑)。ただ、怒られると翌日は勝てます。

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