『ナイト・ドクター』第3話 深澤の優しさは「キンプリ岸優太そのもの」であるの画像
(左から)北村匠海、岸優太(King&Prince)、波瑠、田中圭、岡崎紗絵(画像は『ナイト・ドクター』公式サイトより)

ドラマ『ナイト・ドクター』は夢を持って仕事をする喜びと、自分の生き方を自分で決めることの大切さを描く。持病を抱えながらも頑張りたい救命医の仕事に手応えを掴み、周囲を説得した桜庭(北村匠海/23)の決断を応援したいと強く感じた。同僚の深澤(岸優太/25)も救命医として慣れてきた様子が描かれ、徐々にチームらしさを感じられるようになってきた。

■桜庭の救命医としての成長

 研修医上がりの医師が救命医になるのは決して簡単ではないし、経験豊富な先輩医師から見たらきっと使えないのだろう。医療に限らず、どんな仕事でも新卒や移動で新人が部署に来た時を思い出せば想像がつく。仕事の説明するより自分がやれば早いし、失敗した際のリカバリーほど面倒なことはない。

 でも育てることはやっぱり必要で、急場の手が足りない時に任せられる人材がいれば幅広く処置対応も可能だし、自分の負担も軽くなる。マンパワーは、いつもどの現場でも足りないのだ。勇気を出せる雰囲気や経が積める環境を用意しなければ、新人はいつまでも新人のままだ。

 その点、美月(波瑠/30)は桜庭に対して、大丈夫だからとやらせる度量がある。起動閉塞を起こした患者の対応として、桜庭に輪状甲状靭帯切開の処置をさせて容態を安定させた。そして、経過観察をしている桜庭に、美月が声を掛ける。

「昨日の桜庭と今日の桜庭は、絶対に違うよ。少しづつかもしれない、でも桜庭だって絶対に変われるよ。だってほら、一人の人の未来、ちゃんと変えたでしょ」

 参考書を貸してあげたり、外科的気道確保の処置を見守ってくれた美月の言葉があったかくて、優しさが身に染みる。そして、この処置が成功したことで、憧れであり幼少期からの恩人である本郷(沢村一樹/53)に「よくやった」と肩の辺りをグータッチしてもらえたのだ。これは、桜庭が幼少期に本郷に褒められた時と同じ褒められ方だった。

「僕の心臓が飛び跳ねた。この時感じた喜びも、誰かを救ったこの手も。誰のものでもない、僕のものだ」

 うれしさに涙を流す桜庭に、誰もが感動しただろう。勤務する病院の会長である自身の母親からイギリス留学を突き付けられていたが説得することが出来たし、あとは持病と上手く付き合って救命医としての経験を積んでいくだけだ。

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