『ナイト・ドクター』第4話 波瑠と岡崎紗絵の心に届くキンプリ岸優太の「ゆったりした優しさ」の画像
(左から)北村匠海、岸優太(King&Prince)、波瑠、田中圭、岡崎紗絵(画像は『ナイト・ドクター』公式サイトより)

ドラマ『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)の4話は、仕事とプライベートのあり方について考えさせられた。女性としてどうありたいか、仕事もプライベートも充実させたい高岡(岡崎紗絵/25)にとって、恋人の近くにうろつく女性がいることに怒りや悲しみを隠せなかった。またその女性が自分と真逆の性質を持っていることに苛立ち冷静さを失っていたが、いち患者として見ることで自分は医者だと思い直し、切り替えられる清々しさがあった。それに気付かせてくれた美月(波瑠/30)や、話を聞いてくれる深澤(岸優太/25)がいることで自分を肯定することが出来たのもよかった。

■深澤のゆったりした優しさが心地いい

 岸が演じる深澤の優しいキャラクターについては、岸が2014年に演じた『近キョリ恋愛 ~Season Zero~』(日本テレビ系)の鮎川奏多役を思い起こさせるが、奏多の優しさとはちょっと違う。奏多は、明るくて、元気いっぱいで、とりわけ好きな子にはとことん優しいのだが、これに自己犠牲が伴う。好きな子の好きな人は、自分ではない。それでも笑顔でいてほしいと願うのが奏多であり、幼馴染という関係性を優先させ、自分の気持ちを伝えることをせずに明るく接し、安心できる存在であり続けた。この切なさや儚さが、深澤にはない。

 職場で対立する女性たちの間に立って、事を荒立てないよう注意したりなだめたりしているにすぎず、人がいいというだけで何ら痛みを伴っていないところに、どこか物足りなさを感じてしまう。とはいえ、このギスギスした職場環境に深澤がいてくれることで、安心感が出ている。

 美月が高岡と言い争いになり、つい言い過ぎたことを深澤に愚痴っていた時は、話を合わせて聞いてあげた。また高岡も、帰りを待ってくれていた深澤には自分の胸の内を話して、落ち着きを取り戻していた。仕事も恋愛も高みを目指して努力していた高岡が、深澤に慰められたことはいささか不本意だったようだが、頑張りたい仕事を認めてくれる同僚がいるのは、安心するし力強い。美月と高岡に入っていた亀裂を間を見えないところで塞ぎ繋いだのは深澤であり、人柄のよさと存在感がとてもよく出ていた。

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