■「タガが外れてる人だと思った」

 若林は若手時代、劇団ひとりも出演していたライブを手伝っていたというが、

「コンテストの持ち時間ってみんな守るんですよ」「倍くらいオーバーして、ずっと目の前の女性のお客さんを口説いて、3倍くらい(時間使って)……。最後に水かぶって帰ってきた」「タガが外れてる人だと思ったから、テレビで見てもずっと怖いと思ってた」

 と、劇団ひとりについて語っていた。

「劇団ひとり本人は覚えていないといいつつ、“舞台袖の芸人を笑わせるのが楽しい時期だった”としていました。ただ、別に最近丸くなったわけでもありません。『ゴッドタン』(テレビ東京系)でキングコング西野亮廣(41)に対して“いかに相手よりも多く自分の髪を切れるか”“尻の匂い嗅がせ合い対決”といった放送コードギリギリの戦いを繰り広げています。本当に、ゴッドタンからオリンピックとは、とてつもない振れ幅だな、と驚くばかりです」(専門誌記者)

『ゴッドタン』の名物企画の1つだった「キス我慢選手権」も、劇団ひとりの驚異的な才能の産物。セクシー女優が、あらゆる手段を使ってキスを迫ってくるのを芸人が我慢する、という企画だが、なんと2013年と14年に『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』として映画化されている。まさに、奇跡的な作品なのだが、これは劇団ひとり抜きでは成立しなかったという。

「恐るべきことに、ひとりの演技は2時間ずっとアドリブなんです。14年の『エンタメOVO』のインタビューによると、“アドリブ芝居の七不思議の一つで、アドリブはかまないんです。むしろせりふの方がかみますね。例えば『せりふを覚えてください。5分後です』と言われ、あまり練習もしないままやるとかみます”だそうで……。当人もたびたび話題にしていますが、あまりに自然すぎて、たまに伏線回収までするため“本当にアドリブなの?”と疑う声も多いそうですよ」(前同)

 しかし、同時にインタビューでは「僕のせりふや立ち回りもあるだろうけど、カメラワークが素晴らしいんです。カメラマンさんたちが本当に周到に準備しているみたい」としたり、根は実に実直。過激なキャラも、お笑いに真摯だからだろう。

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