乃木坂46の個人PVに関わるなかで、そのつどスタイルを変えながらいくつもの顔をみせてきた中島望だが、ことにショートドラマ的な作品においては、いくらか静的で物憂げな空気の演出に冴えをみせる。その代表が前々週にとりあげた新内眞衣の個人PV「世界は夜回る」であった。具体的に多くを語ることなく、また決してポジティブな瞬間ではない人生の一コマを切り取り、そのなかに多くの背景を想像させる。その筆致は、乃木坂46の10枚目シングル『何度目の青空か?』に収録された中田花奈の個人PV「Re:set」でもうかがうことができる。