コロナ禍で在宅勤務や、外出控えを強いられる昨今。そのストレスや生活リズムの乱れから寝つけない、眠っても疲れが取れないと訴える人が増えている。質の良い「眠り」を確保するには、どうしたらいいのか。そこで今回、本誌は健康のプロに“熟睡の秘訣”を伝授してもらった。
(1)毎朝、同じ時間に起きて、日光を浴びる
テレワークで、遅くまで寝ていたり、外出自粛で日光を浴びる機会が少なくなった人も多いだろう。
産業医として睡眠の相談を受ける下村洋一氏が言う。
「まず、以前の通勤時と同じ時間に寝て起きる。休日も起床時間は遅らせず、規則正しい生活をすることが、寝つきを良くします。加えて、通勤時と同じ時間に日光を浴びることも大切。我々の体は、日光を浴びて14~16時間後に眠くなるようにできているからです」
(2)1時間以上昼寝をしない
自宅で過ごす時間が長いと、つい昼寝をしてしまう人も多いはず。だが、長時間の昼寝は睡眠の質を下げる要因になる。
「昼寝は30分から最大1時間にとどめてください。また、23時から午前5~6時までが一番良い睡眠が取れる時間帯です。夜勤の方が昼間、仮に6時間寝ても、良い睡眠を取れる夜の時間帯の3分の1程度にしかならないといわれるほど、睡眠の質は違うんです」(下村氏)
ちなみに、昼寝の際は、家にいるからといって寝床に潜り込むのは避けよう。イスで軽く眠る程度が良いという。
(3)ベッドで作業をしない
睡眠前にベッドで読書、テレビを見る、スマホをいじる……といった行動も、つい、やりがちだ。
「そうしていると“ベッド(布団)=寝る”と体が認識しなくなり、寝つけなくなってしまいます」(同)
寝床に入る前は、「入眠ルーティン」を確立することが重要という。薬剤師で鍼灸師の平地治美氏に、睡眠前に実行すると寝つきも睡眠の質も良くなる2つのコツを教えてもらった。まずは(4)「真向法」。
「お寺で生まれたお辞儀を日3分、4つのポーズを行います。第一体操はあぐらをかく姿勢から足裏を合わせ、そのまま前屈。第二体操は、両足を伸ばして座り、前屈。第三体操は脚を左右に開脚して座り、前屈。第四体操は割座(すねを外に出して正座)のまま、背を後ろに倒して腹式呼吸。ゆっくり全身を伸ばすことで体温が下がり、眠りやすくなります」(平地氏)
(5)ターメリックミルク
「100ccほどの温かい牛乳にターメリック(ウコン)を小さじ半分ほど入れたもの。インドの伝統医療が元ですが、疲れが取れ、近年では欧米で不眠症にもいいとして大人気です。なお、冷たいミルクは体を冷やすため、逆効果です」(前同)
ぐっすり寝て、明日からスッキリ目覚めよう!