酒井一圭(撮影・弦巻勝)
酒井一圭(撮影・弦巻勝)

 僕らがムード歌謡コーラスグループ『純烈』を結成して、昨年で10年になりました。結成以来、僕が“リーダー”という立場で一番大事にしているのは、“食えるか、食えないか”ということ。やっぱり、それぞれの生活がかかっているので、経済的なことを一番に考えているんです。

 仕事を取ってくる……というか、「仕事を一生懸命にやれる場を作る」のがリーダーの役割。たとえ、僕の言っていることが理解できなくても、僕についてきてくれれば……そして、そこでメンバーがやりがいを持って頑張ってくれれば“ちゃんとメシが食える”というようにしたいんです。

 汗をかいて仕事をして、メシが食えるようになる。そして仕事を頑張ったことで、家族や兄弟、友人といった周囲の人たちに、何かをしてあげることができる。つまり、生活のうえでの選択肢が増える。それが人生の幸せであって、面白さだと思うんです。逆に、その充実感が分からないような人間は、『純烈』には、いりません。

 だから僕らは、人を喜ばせてナンボ。実力が足りなかったとしても、持っている力を100%出し切って、“これでダメだったら、しょうがない!”くらいの気持ちで一生懸命、仕事に取り組んでいますし、リーダーとして、グループにそんな場を呼び込んできたいと思っています。

 こんな感じなので、僕はパフォーマーというよりは、“プロデューサー”かもしれません。実際、肉体労働で歌ったり踊ったりしている業務は、だいたい3割くらい。あとの7割はプロデューサーとして、グループのために動いています。

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