昭和家電コレクター冨永潤「赤ちゃんのオムツに電気を流すなんて」麻美ゆまのあなたに会いたい!〔後編〕の画像
冨永潤

 懐かしの昭和家電コレクターで、『昭和ハウス』の館長でもある冨永潤さんとの対談、後編です。映画『三丁目の夕日』でも使われた放送開始当時の白黒テレビをはじめ、洗濯機に冷蔵庫、水差し、電話ボックスから信号機まで、「昭和に関する家電はほとんどそろえている」と豪語する冨永さん。そのコレクションの数は、なんと数万点! 昭和世代にすれば郷愁を誘われる家電ばかりですが、その中でも、冨永さんがイチ押しするお気に入り家電を聞いてみました!

冨永「ライトガンのテレビって、ご存じですか?」

ゆま「ライト? ガン?」

冨永「ええ。昭和34年にビクターが発売した真空管の光リモコンテレビです」

ゆま「リモコンって、その頃からあったんですか?」

冨永「はい。これが日本のワイヤレスリモコンの一番初めのものとなります。リモコンが、このように“ピストル”の形になっているんです」

ゆま「だから、ライトガンなんですね。でも、見たところ、チャンネルのボタンとかはありませんよね」

冨永「はい。テレビの上部にセンサーがついていまして、ここにライトガンの光を当てるんです。センサーの右側に光を当てれば右回転、左側に光を当てれば左回転で、チャンネルが変わるんです」

ゆま「へえー、面白そう。ちょっとしたゲームみたいですね」

冨永「光を当てると、チャンネルのダイヤルも、透明人間が動かしているように回るんですよ。昭和34年に作られたとは思えない画期的なテレビなんです」

ゆま「今でも、ちゃんと映るところがすごいですね」

冨永「昔のものは丈夫にできていますからね。冷蔵庫なんかもしっかりしていて、まさに鉄のボディ。めちゃくちゃ重いんですけどね」

ゆま「昭和のものって、アイデアも面白いですよね。私が興味を持ったのは、冨永さんがユーチューブでも紹介されていた“分割内鍋”です。ごはん以外に、煮物や、お味噌汁も炊飯器の中で作れるなんて、めっちゃ便利じゃないですか」

冨永「そうですよね。一緒くたに炊くので、ごはんに他の食材の匂いがついてしまうという難点もあるんですけど、五目ごはんみたいな香りになるとも言えます。それもまた昭和の味です」

ゆま「今はもうないけど、昭和の時代にあった便利グッズって、ありますか?」

冨永「赤ちゃんがオシッコをしたことを知らせる“お知らせベル”というのがありました。オムツの中に電気を流して、オシッコがかかると、音で知らせてくれるんです。ただ、今、思うと、さすがに赤ちゃんのオムツに電気を流すなんて、危険ですよね(笑)」

ゆま「確かに……」

冨永「トーストサンドの自動販売機も今、見かけなくなったものの一つですね」

ゆま「トーストの自販機なんて、あったんですか! カップ麺の自販機は知ってますけど(笑)。冨永さんは、信号機もお好きなんですよね」

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