フジテレビ『ナイト・ドクター』第11話・キンプリ岸優太が最終回も見せた「深澤の泣けるほどに優しい姿」の画像
(左から)北村匠海、岸優太(King&Prince)、波瑠、田中圭、岡崎紗絵(画像は『ナイト・ドクター』公式サイトより)
ドラマ『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)の最終回は、未来に繋がる素晴らしいエンディングを迎えた。過酷な状況で命を繋ぐ医師たちの情熱や想いに胸を震わせた月曜の夜だった。とりわけ成長していく深澤(岸優太/25)をもう見られないのかと思うと、寂しさで月曜は夜空を見上げて想いを馳せてしまいそうだ。

■ 深澤の医師としての成長に喜びを感じる

 最終回は、夜間の仕事をする作業員の事故が重なる夜だった。美月(波留/30)は鉄道車両の下敷きになり左胸部を圧迫された男性を、高岡(岡崎紗絵/25)はオフィスビルのエスカレーターから転落し肺裂傷の女性を、深澤はごみ処理センターで右下肢の不全断裂の男性を診るため、別々に行動して処置を進めることになる。過酷な状況の中で、またも大きな成長を見せてくれたのは深澤だ。

 救出まで時間が掛かることに加え、出血多量でショック状態が続いているこの状況の中、早い段階で右足切断も頭にあっただろう。でもなんとか温存したい、持ちこたえてほしいと思っていたのではないだろうか。タイミングを見計らったように成瀬(田中圭/36)から電話が入り状況を説明すると、成瀬は右足切断の判断もあると伝えた。だが、現場にいる医師である深澤が判断するよう言われたことで決意を固めたように感じられた。自信のない丸みを帯びた背中はシャキッと伸び、機敏な動きで処置を進める深澤に、患者の同僚たちが動揺し叫び出す。

「静かにしてください!自分は行きたくても生きられなかった人たちを沢山見てきました。でも鳥山さんは今なら助けられます。彼に生きてほしいと思うなら、黙っていてください」

 同行していたベテラン看護師も目を丸くするほどに大きな声。肩を震わせ、眉間にしわを寄せてうっすらと涙を浮かべた表情からは、命を優先した決断であることが痛いほどに伝わってくる。切断したことでどうなるかなんて百も承知だが、生きてこそなのだ。生きていれば、また一緒に仕事が出来るかもしれないし、喜びや悲しみを共有しながら素晴らしい人生を送ることも出来るのだ。

「生きてさえいれば、きっと叶えられます。それに、鳥山さんにはあなたのような仲間が沢山いるじゃないですか」

 処置を終えて病院に向かう救急車の中で、患者の同僚に穏やかな表情で話す深澤の声が優しすぎて泣けてくる。深澤の妹・心美(原菜乃華/18)のように重い持病を抱えながら懸命に生きている人間がいる一方で、生きていてくれることで喜びや生きがいがあることを知る深澤の言葉からは重みを感じた。また、その話し方や言葉の選び方が元内科医だった経験が生かされているように感じたし、演じる岸の優しい気持がにじみ出ているようにも感じられたのがとてもよかった。

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