■肌の皮が剥けてもヘアスタイルを決める覚悟

 公開当時の17年7月に『超!アニメディア』が行ったインタビューで、真剣佑はヘアスタイルについて、

《じつは、後ろ髪の飛び出ている部分以外は全部地毛なんです。かなりブリーチをかけたので肌の皮が剥けましたが、こだわったおかげで億泰に近づくことができたと思っています》

 としていた。肌の皮が剥けるまで髪型のセットにこだわるとは、おそろしいほどの役者根性だ。

「それに、第40回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞してブレイクするキッカケとなった作品も、『BE・LOVE』(講談社)の同名マンガが原作の『ちはやふる』ですからね。当時は“真剣佑”という芸名でしたが、この作品で演じた役名が“綿谷新(わたや・あらた)”だったことから、現在の“新田真剣佑”に芸名を変更しています」

 17年に行われた『ちはやふる』取材会によると、シリーズの原作者・末次由紀に事前に了承をとったうえで、

「『ちはやふる』という映画は僕にとって日本に来てすぐの作品で、まだ経験が浅かった頃に監督や『ちはやふる』との出会いがあり、自分の中で芝居を志すきっかけになった大きな作品です。なので『綿谷新』からとった『アラタ』。つかわせていただきました」

 と改名理由を語っていた。ちなみに知名度が低かった当時は、「真剣・佑」や「真・剣佑」と区切って読むと勘違いする人もネットで多く見られ、「新田」を加えてからも、しばらくは誤読が続いていた。

「最後に、真剣佑の父親で今年8月19日に亡くなった千葉真一さん(享年82)も、アクションスターとして数多くの作品で活躍しただけでなく、ハリウッドでも活躍しました。アカデミー賞が《50年もの間スクリーンで、シンイチ・ソニー・チバは俳優からファイトコレオグラファーに、そして伝説へと進化した》と追悼文をツイッターに公表するほどの知名度を誇ります。真剣佑も、父親の遺志を継いでハリウッドでも活躍してくれることでしょう」

 アニメ版主題歌の歌詞を借りるなら、真剣佑には心の小宇宙(コスモ)を燃やして頑張っていただきたい!

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