10月8日、フィンランドを代表する作家で『ムーミン』の原作者として知られるトーベ・ヤンソンの半生を描いた映画『TOVE/トーベ』の公開記念メディアイベントが、フィンランド大使館内のメッツァ・パビリオンで行われた。
『トーベ』の主演女優であるアルマ・ポウスティさんとヘルシンキから中継をつなぐコーナーもあり、フィンランドの魅力にあふれるイベントとなった。
「大使館というと固いイメージがありますが、今回のイベントは全体的にカジュアルな雰囲気で行われました。まず映画の予告映像を流してから、フィンランドセンター所長のアンナーマリア・ウィルヤネン氏が第二次世界大戦前後のフィンランドの情勢なども交えて、トーベ・ヤンソンの生涯や価値観などをプレゼンしました。大学の講義のような感じですね」
そう語るのは、今回のイベントに参加した記者T氏。
「“愛らしい『ムーミン』の作者の話”ということで、明るいノリを期待して映画を観に行くとギャップに面食らいこと間違いなしの、波乱に満ちたトーベの人生、戦後のフィンランドの話が聞けました。映画の舞台は、1940~50年代の、戦争で多額の借金を抱えていた時代のフィンランドなんです。
また、トーベは同性愛者ですが、多様化が認められている現在と違い、71年までフィンランドでは犯罪扱いで、精神疾患として指定されていた、という時代背景も解説していました。こうした社会背景を踏まえると、より映画を楽しめるかもしれません」(記者T=以下同)