■MLBレジェンドたちもトリコに

 全米で“ショウヘイ・オオタニ”の人気は、日を追うごとにウナギ上り。そのあふれ出る魅力には、MLBの名だたるレジェンドたちも次々とトリコになった。

 その一人が、打撃三冠のタイトル経験者であるマニー・ラミレスだ。

「投打にわたる大谷の活躍に“あの男はきっと火星人だ。違う惑星から来たに違いない”と、最大級の賛辞を贈っていましたし、ヤンキースのエース・コールも“まるで魔法のよう”と大絶賛。超一流選手の目から見ても、大谷の存在は、それだけアンビリーバブルなんですね」(前同)

 さて、本塁打王争いをリードし、打者としての活躍が目を引く大谷だが、投手としても安定感は増すばかり。6月4日のマリナーズ戦から、9月3日のレンジャーズ戦に至るまで、破竹の8連勝をマークしている。

 中でも、リアル二刀流の真骨頂とも言えるのは、8月18日のタイガース戦。1番・投手で先発した大谷は、自身最長の8回を投げて1失点。打っては40号ホームランで自ら“投手・大谷”を援護し、8勝目を挙げた。

 藪氏は、今季の“投手・大谷”の変化を指摘する。

「今年は、力の入れどころ、抜きどころを考えた投球ができている。その時々でチョイスする変化球の割合を巧みに変えるといった“術”が身についたのも、好調の大きな要因の一つでは」

 シーズン後半戦。9月に入り、夢の“2ケタ勝利2ケタ本塁打”、そして本塁打王も射程圏内に入ってくる中、大谷に大きな壁が立ちはだかる。“大打者への洗礼”とも言うべき四球攻めだ。まともに勝負してくる打席が激減し、申告敬遠も増加。メジャー最多となる「3試合で11四球」という記録もマークしている。

「優勝、ワイルドカード争いをしているチームからすれば、最も怖い打者との勝負を避けるのは当然の選択。もし、主砲のトラウトが離脱をせずに彼の後ろを打っていれば、ゆうに50本にも乗せていたはずです。裏を返せば、大谷の存在は、名実ともにエンゼルスの投打の柱。打線にもう少し援護があれば、2ケタ勝利も確実だったでしょうからね」(福島氏)

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