■ツッコミどころが多すぎて

 見せ場になるはずの賭けと謝罪がないのは不可解なうえ、そもそも、違法なはずの裏カジノがデリバリーを頼むことも疑問だ。さらに、老人ホームで亡くなった祖母の葬儀を、衛が一人だけで済ませようとしたとき、優が突然現れるのだが、そのタイミングの良さも貧乏な優が喪服を持っていることにも違和感があった。

 視聴者もツイッター上で「いやいや、違法賭博はなにがあろうとダメやろ……こういう場合は通報しようね」「話は面白いんだけど、葬式のくだりとか違法カジノのくだりとか、無理がある」「カジノに勝つシーンと謝らせるところ全カットだし、衛が優を好きになる描写が中途半端だし、脚本が雑なのよね」など、不満の声を寄せていた。

 同ドラマは、エピソードを詰めすぎているため、当初から具体的な描写を省略し、リズムを作る手法が取られていたが、描くべきシーンが描かれていないと感じることがあまりに多い。

 ひょっとすると、視聴率低迷のため打ち切りが決まり、エピソードを省略して話を進めているのではないだろうか? 前回から描かれている、マーケティング責任の鮫島(菅野莉央/28)の妊娠を匂わせるシーンも、唐突な描写で説明不足だし、今のところ伏線にもなっていない状態だ。

 一部報道によると、同ドラマの主人公・衛役は、当初、安藤サクラ(35)に内定していたが、結局、出演には至らず、江口に白羽の矢が立ったと言われている。そんな、江口が主役不在の危機を救ったという経緯があるとしたら、途中での打ち切りはないと思うのだが、はたして真相は?(ドラマライター/ヤマカワ)

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