芸人NO.1ドラマウォッチャー・ナイツ塙宣之インタビュー(2)「キスマイ北山くんの顔がどんどん怖くなった」「『恋です』のハンバーガーで泣きました」【2021年ドラマ「神演技シーン」5選】の画像
あふれでるドラマ愛が止まらないナイツ・塙宣之 撮影/日刊大衆編集部

M-1グランプリ』審査員として、漫才の的確な分析で知られるナイツ塙宣之。2021年には錦鯉の優勝を受けてのもらい泣きでも感動を呼んだ塙には、また別な顔がある。芸能界きってのドラマウォッチャーとして知られ、過去には各局の全ドラマを視聴。多い時は週に37本ものドラマを鑑賞し、自身のYouTubeチャンネル『ナイツ塙の自由時間』でもドラマの感想を投稿するなど、筋金入りのドラママニアなのだ。

 その塙に、2021年の印象深いドラマと役者について聞いた。数ある作品からピックアップされたのはーー?

(第2回/全4回)

――2021年のドラマの「個人的神シーン ベスト5」を教えてください!

「まず、NHKで、まだやってる『群青領域』ってドラマ。あの韓国の俳優さん」

――シム・ウンギョンさん?

「そうそう。彼女が良くて。バンドマンの役なんですけど、妹を事故で亡くしたトラウマでピアノが弾けなくなって。バンドを解散して、海辺の町に逃げちゃって。それでバンドのこと知らない人にあって、一緒に暮らすヒューマンドラマ。

 けど、詳しい人に顔指されて、みんなにバレちゃっていく、みたいな話なんですけど、知り合いの子がトラックで轢かれそうになったとき、自分の妹の事故を思い出しての泣き方がすごくリアルというか。

 もう、身体の震え方、動きがすごくて。本当にああいう感情で、足腰に力がなくなって泣く演技が素 晴らしいなって。

 日本語はそこまで上手な人ではないですけど、すごく好きです。本当にお芝居が上手です」

――2021年1月クールの『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(テレビ東京系)にも出ていましたね

「うん。あと、2020年にやってた中園ミホさんの『七人の秘書』(テレビ朝日系)にも出てましたね。あれではじめてみたけど、その時からいいな、素晴らしい方だなと思っていました」

――なるほど。

「次に、テレ東の『ただ離婚してないだけ』ってドラマがすごく面白かったんですよ」

――夏ドラマ3選にも挙げられていましたね。

「殺しちゃったときの、Kis-My-Ft2北山宏光くんの顔。本当に追い込まれた人間の顔になっていくというか。はじめはすごく余裕のあった顔なんですけど、仕事のこととか、人間ってどんどん追い込まれると顔が変わってくるじゃないですか。それがすごく怖くて。

 回を重ねるごとに、メイクとかじゃないのに顔が怖くなっていくんですよ。すごい表現力でした

――なるほど。

「かつて、『振り返れば奴がいる』(93年・フジテレビ系)ってドラマがあって。織田裕二さんのライバル役で石黒賢さんが出演してたんですけど、最後に石黒さんのキャラは病気で亡くなるんです。その“病気”をいち早く(視聴者には)伝えないといけなくて第6話くらいから石黒さんの顔が白くなるんですよ。6話から白くしちゃったから、第9話くらいで真っ白なおしろいみたいになってて。

 でも今回の北山くんはちょっとずつ顔が怖くなっていった」

――名演技だったんですね。

「それから『真犯人フラグ』にも不動産役で出演していた深水元基さん。この子、すごくいいです。

役作りでガリガリにしたんですよ。北山くんと中村ゆりさんに監禁されるヤクザの役なんですけど、ずっと部屋に吊るされて生きてるんです。すごくゲッソリしているのがめちゃくちゃ怖くて。深水さんと、北山くんと、だんだんおかしくなっていく中村ゆり。

 中村ゆりが深見に対して熱湯をかけたり、調教してく感じになっていくんです。そういうお湯をかけるシーンとか、それに対して北山くんがヤバい顔をしてるシーンとか。暗いやつですけど、面白かったですね」

――見たいような、見たくないような……演技がスゴいことはよく分かりました。

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