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『恐怖の心霊報告書』読者投稿5 売り子のバイト

[恐怖の心霊報告書]

『恐怖の心霊報告書』読者投稿5 売り子のバイト

時代遅れの女性客に 対応した瞬間……

私、高校生の頃に販売のバイトをしていたんです。

食品を店外で売る、というものなんですけど、あのときは真冬だったので辛かった。カイロを沢山貼って、厚着をしていたんですが、それでも寒い。

隣にいるバイト仲間のミキちゃんといつも「寒すぎ」って震えてました。

確か、大晦日が近い頃ですね。お客が多かった時期です。でも、さすがに閉店間際にはまばらになりました。

片付けを始めて、ミキちゃんが商品の一部を店内に運んでいたときです。

ひとりお客さんが来ました。しかし、その人、かなり変なんです。

若い女の人なんですけど、服とか髪型、化粧のセンスが古くって。今、また流行っているって話の、バブル期ファッションにそっくり。当時はとっくに弾けた後で、とんでもなく時代遅れになっていたんですけど。

その人になにかを尋ねられました。内容は覚えてません。でも、答えた瞬間、私、身動きがとれなくなったんです。

目の前にいたはずの女性客はいなかった!?

周りにはぽつぽつ人が歩いているのは見えます。目の前にいる女性客も、そのままそこにいますし。でも、まるで凍ってしまったように全身が動かなくなって、声も出ない。

身体に汗が流れ始めました。脂汗というより、真夏にかくような感じの。なぜか胸とお腹、背中だけです。

そのとき、ミキちゃんが帰ってきました。

「どうしたの?」

そう声をかけられた瞬間、身体が自由になりました。それとほぼ同時に、女性客もどこかへ歩いていきます。

今し方あったことをミキちゃんに話すと、彼女は首をかしげました。

「そんな人いなかったよ。ってか、ずっと誰もいないところで喋っていたから、どうしたのって訊いたんだけど……」

声も出せないのに喋れるわけがありません。いえ、それよりも、誰もいなかったなんてありえませんから。

そのことをミキちゃんに話したんですけど、「やめてよ、そんなの」って感じで、怪訝な顔をされて終わったんです。

それから同じことはありません。

ただ、たまにおかしな汗をかくようになりました。寒いのに酷い汗が出るんです。全然暑くないのに。

自律神経が、おかしくなったみたい。

でも、そういうときはあのバイトのことを思い出して、いやな気持ちになります。

今もあの女の人の顔を思い出せますから。

鼻ペチャで、目が離れた、下ぶくれの……。

『本当に体験した! 恐怖の心霊報告書』¥700(税抜)双葉社

『恐怖の心霊報告書』読者投稿5 売り子のバイト

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