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『恐怖の心霊報告書』読者投稿14 霊園

[恐怖の心霊報告書]

『恐怖の心霊報告書』読者投稿14 霊園

県内有数のスポット霊園に車で向かう!

東北の某県、うちから少し離れた場所に「とにかく出る!」という超有名な霊園がある。

ある日、バイト先の先輩が、
「あの霊園は凄いゾ! 1週間前に行ったときは、スーツを着た男と着物姿の幽霊を見た。それも全員揃ってだゾ!!」

なんて事を言うものだから、そこにいた4人が、
「じゃあ、自分たちも見てこようぜ!」

と、なってしまった。

正直、自分は霊的なことに関して信じてなかったけど……まあ、ドライブに付き合うか! 程度の気持ちで同行した。

「本当に出るかな~」
「今から怖がってどうすんるんだよ!」

自分を除いた3人は車中で異常な盛り上がりを見せている。ちなみに今回の参加者は、男子3人、女子1人。みな地元の大学に通う2年生だ。

「おお、そろそろだな」

霊園の入り口まで300メートルの看板を見た運転手の聡が言うと、
「あ~、ドキドキする~!」

紅一点の美奈子が胸を押さえた。もう1人の義之は獲物を狙うハンターのように霊園を見つめている。

墓石の前でお供えの柿を食べていた……

「さあ、入るぞ~!」

聡が声を掛けたと同時に、車は霊園の門をくぐった。

まずは先輩がオススメしていた8区エリアに向かう。

車中とはいえ、墓に固まれた道を進んでいる。さらに灯りがないので、いやでも恐怖感が高まっていく。信じていない自分でさえも怖さを感じる場所だ。

「あそこに人が立ってる。ほら、あそこっ!」

美奈子の言葉に反応した聡がブレーキを踏む。3人が美奈子が指差すほうに顔を向ける。

「どこ、どこ、どこ?」
「あそこの大きなお墓……右のところに、おばさんぽい人がぼーっと立ってるじゃない」
「いや~、わからないな」
「恐怖心で見た気になったんじゃないのか?」
「あそこに……って、おばさんがこっちに向かって来てる!! ヤバいよ! 早く出してっ」

納得いかないといった感じでアクセルを踏む聡。

ノロノロと100メートルほど進んだところで、
「ここで降ろしてくれ!」

そう言って義之は、車を降りて先の路地を入った。どういうこと? わけがわからないまま、懐中電灯を片手に義之を追う。と、なにやら右前の墓石のところで、ゴソゴソと動いているものが! すかさずそこを懐中電灯で照らすと……義之だった。なにをしてるんだ?

3人一緒に近寄っていくと、
「なにやってんの!?」

美奈子が声を上げた。それも当然、義之はお供え物だったであろう柿を食べていたのだ。

霊園から後部座席に乗っていた中年女性

「なんで、そんなの食べてんだよ、義之」

聡が言うと義之は、
「だって、おばさんが食べなってくれたんだよ!」
「おばさん? そのおばさんはどこにいるんだよ」
「あれ、いないな。どこ行ったんだろ」

信じていない自分にも、妙な事態になっていることくらいはわかる。この霊園を出たほうが良さそうだ。

義之の腕を引っ張り車に押し込む……と、肌がゾワゾワする感覚に見舞われた。初めての感覚だ。特に右側がひどい。

このときは助手席に美奈子、その後ろに自分、運転席の後ろに義之が座っていた。

徐々に門に近づき、薄暗い電灯の横を通り過ぎようとしたとき、息が止まった。

なぜなら前をじっと見ている見知らぬ中年女性の顔が、すぐ右横にあると気づいたからだ。

視線だけを動かして、あらためて確認する。と、頭だけが宙に浮いてる感じだ。

歯を食いしばっていると、
「はあ~、ようやく外の世界に出られたな」

ハンドルを握る聡が、後部座席の2人に話し掛けるようにバックミラーを見た瞬間! その表情は明らかにこわばった。

「あそこのファミレスで休憩しようぜ」

続けてそう言った聡は車を停めると、元に戻った義之と奈美子を早く出るようせかした。

「おばさん、いたよな?」

義之の言葉にこっくりと領くと、今度は妙なことを言った。聞きたくなかった。

「あのおばさん、お前の体からヌッと出てたんだよな……」

この翌日、原因不明の高熱が出て入院した。

『本当に体験した! 恐怖の心霊報告書』¥700(税抜)双葉社

『恐怖の心霊報告書』読者投稿14 霊園

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