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『恐怖の心霊報告書』読者投稿18 トンネル

[恐怖の心霊報告書]

『恐怖の心霊報告書』読者投稿18 トンネル

煉瓦造りの「隧道」で鮮明に見える老人が!

今から1年前のこと。当時、渓流釣りにハマッていたオレは愛車を駆って渓流に向かっていた。ついでに心霊スポットを見てやろうということで、深夜1時過ぎに自宅を出発。最寄りの高速インターを下りたのは3時くらいだったと記憶している。

気持ち程度の街灯がともる山道を走っていると、少し先にトンネルが見えてきた。今時の近代的なトンネルではない。それは造りからもわかるし、なによりトンネル横の看板に「隧道」とあったので間違いないだろう。漢字表記のトンネルなんて、そうそうお目にかかれるものではない。

このトンネルも先ほどの山道同様、気持ち程度の照明しか設置されていない。初めて通るうえ、道幅が狭かったので、徐行運転並みのスピードで走っていた。

ゆっくり先に進んでいると、
ライトの灯りの中になにかが浮かび上がった。ん、なんだ? 注意しながら進んで行くと、作業着姿の老人がうつむいて座り込んでいた。とても鮮明だ。霊的なモノとは考えられない。
「どうしました?」

気になって声をかけてみたがなんの返答もない。2度、3度と繰り返したが、それでも返答がないので再び車を走らせた。

冷たいと思われるかもしれないが、オレはこのとき「この老人は、ここに住み着いている人なんだな」と思ったのだ。

だからあえてしつこくしなかったのである。

ルームミラーを覗くと車の後部席に老人が!

そこから10メートルほど進むと、またもやライトの灯りの中になにかが浮かび上がった。

またか! 今度はなんだ!?
そう思いながら、そのなにかに近づいたとき、えっ!? と思った。なぜなら、それは先ほどの老人にそっくりな老人……いや間違いなく先ほどの老人である。作業着の襟に着いた大きなシミは先ほどもついていた。

どういうことだ!? とっさに思った。関わってはいけない!!

声をかけずに通り過ぎようとしたとき、老人が顔を上げた。通り過ぎる一瞬のことだったが目が真っ黒だったことはわかった。まるでくり抜かれたかのように……。

「ひ~ひっひっひっ……」

突然、老人が不気味な笑い声を上げた。あわててアクセルを踏み込んでスピードを上げると後部座席に違和感を感じた。基本、幽霊のたぐいは信じていないが……恐る恐るルームミラーに視線を移すと、先ほどの老人が後部座席にいる。真っ黒な目でオレのことを見ている。ひいい~! 普通じゃない!!

オレは必死に頭の中でお経を唱え続げた。そしてトンネルの出口に差し掛かったとき、老人は姿を消したのである。

それ以来、渓流釣りへ行くときは、絶対に「隧道」を利用しないことにしている。

『本当に体験した! 恐怖の心霊報告書』¥700(税抜)双葉社

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