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『恐怖の心霊報告書』読者投稿19 城址跡

[恐怖の心霊報告書]

『恐怖の心霊報告書』読者投稿19 城址跡

様子のおかしい親友が「男の声が聞こえた!」

僕が住んでいる町の隣町に城址跡があるんだ。ここが地元ではけっこう有名な心霊スポットで、「見た!」っていう情報があちらこちらから耳に入ってきてたんだ。

じゃあ、1度くらいは夜の城址跡に行ってみるか!

ということで自宅から自転車をこいで城址跡に向かった。もちろん、あんなトコに1人で行くのは怖すぎる。中学からの親友・佐藤を強引に誘った。

自転車を停めて城址跡に続く遊歩道を進む。木々に囲まれた遊歩道は月の光も届かずに真っ暗で、昼間の雰囲気とはまったく違う。マジ怖い!

石段を上がって、なにもないまま城址跡に到着。初春にしては、やけに生ぬるい空気が吹いているなと思った。

心霊スポットとはいえ、そこは気心の知れた2人……地面に座り込んでバカ話を始めた。

そして10分ほど経ったころ、佐藤の様子がおかしくなった。顔を伏せて眉聞にシワを寄せてる。

「どうした、佐藤。体の具合が悪いのか?」
「そうじゃない……今、男の声が聞こえたんだよ、耳元で」

佐藤はこういった冗談を口にする男ではない。それは僕が一番よくわかっている。

「マジか?」
「おお、おお、大マジ!」

自分の耳で聞いたわけではないが、頭の中はパニックを起こしかけている。

「かえ……」

帰るぞと言いかけたとき、10メートルほど先に白いモノが浮かんでいることに気づいて言葉が止まった。

地面から手が出て足を掴んでるぞ!

「佐藤、あれ、なんだろう?」
「あれは……戦国時代の侍。首から下がなくて浮いてるな」

自分には見えないものが、佐藤にはしっかり見えている。が、いずれにしてもマズい。心臓がバクバク高鳴る。

慌てて立ち上がり、石段に向かおうとすると、
「うわああ~……地面から手が出て足を掴んでるぞ」

佐藤が叫ぶ。彼には無数の手が、植物のように地面から伸びて、蠢いているように見えたそうだ。

たしかに重い……まるで水の中を歩いているようだ。手は見えなかったが、僕もいつもより足が重く感じられた。

そうこうするちにも白いモノが近づいて来る。あと3メートル、2メートル……寸前のところで石段に辿り着くと足が軽くなった。全速力で駆け抜けた。

「危ないとこだったぞ!」
と言った佐藤は顔面蒼白。聞けば、白いモノは近くまで来たときには全身があり、刀を振りかぶっていたというのだ。

それ以来、2人はその城址跡に、昼間であっても近づかなくなった。

『本当に体験した! 恐怖の心霊報告書』¥700(税抜)双葉社

『恐怖の心霊報告書』読者投稿19 城址跡

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