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日本の食卓を救う 完全養殖マグロ 驚異の実力

[週刊大衆09月01日号]

"海の黒ダイヤ"にうれしい異変! 近い将来、あの大トロを飽きるほど食べることができるかもしれない!

日本人が愛してやまないマグロ。しかし、寿司の世界的普及や新興国の消費拡大、そして中国の乱獲によって絶滅の危機に瀕していると言われている。

そこで、頼みの綱となるのが養殖マグロだが、

「この3月、養殖業界に激震が走りました。それは、水産庁によるクロマグロ(本マグロ)の幼魚の漁獲量の50%削減方針です。一見、養殖とは関係なく思えますが、マグロの養殖は幼魚を捕まえ、沿岸のいけすで育てる方式。実は、日本で流通するマグロの約6割が養殖と言われますから、業界だけでなく、日本の食卓を直撃する大問題です」(マグロ取扱い業者)

大衆魚でありながら高級魚でもあるマグロが、このままでは「超高級魚」となり、一般庶民は食べられなくなるのだろうか。

マグロは古くから日本人の生活に身近なものだったと話すのは、エッセイストの下関マグロ氏だ。

「保存が難しかった江戸時代は、新鮮な赤身こそが高級品。庶民にはなかなかそれが出回らなかったため、日が経って黒身がかったものをなんとか食べようとしづたのが"漬け"でした」

「漬け」にすることで、マグロは、さらに黒っぽくなり、

「その真っ黒な魚を見て、いつしか、"真黒(マグロ)"と呼ぶようになったと言われています。鮮度が落ちても、なんとか工夫して食べるほど、日本人はマグロが大好きなんです」(前同)

一方、脂が乗った部位=トロは腐りやすく、保存技術が低かった江戸時代は猫さえ見向きもせずにまたいでしまうため、"ねこまたぎ"と呼ばれていた。

しかし、戦後は技術が向上、"トロ信仰"が生まれる。クロマグロのトロは最高級の寿司ネタとなった。

今や、太平洋で獲れるクロマグロの約8割が日本人の胃袋に収まっていると言われるのだが、そのマグロが"絶滅の危機"に――。

しかし、ご安心あれ!

近畿大学水産研究所(和歌山県白浜町)が、クロマグロの"完全養殖"に成功しているのだ。

「養殖には2種類あります。一つは、幼魚をいけすで育てる『畜養』と呼ばれる従来の方法。この方法だと、幼魚の漁獲制限で大打撃を食らう恐れがありました。もう一つは、成魚に産卵ふかさせ、その卵を孵化させて再び卵を産む成魚に育てるというサイクルの完全養殖。これは漁獲制限に一切引っかからないのですが、技術的に非常に困難。それを、32年間の研究を経て成功させたのが、近大なんです」(前出・取扱い業者)

これが、今話題の「近大マグロ」だ。すでに近大直営店の飲食店『近大卒の魚と紀州の恵み近畿大学水産研究所』(現在は大阪と銀座に2店舗)で食べることができるほか、関連会社の『アーマリン近大』と取り引きのある三越や阪急の一部店舗、また、ヨシズヤなどでも購入できる。


いいとこどりの「夢のマグロ」

実際に本誌記者がそれを食してみると、天然モノよりスジが少なく、舌触りが劇的に滑らか。しかも、天然とは段違いの甘みが口いっぱいに広がった。

これは、天然モノに引けを取らない!

この旨味に加えて、さらにうれしいのが安全性。

卵から成魚まで完全管理されており、出荷される近大マグロにはアーマリン近大が「卒業証書」を発行している。最近、巷をにぎわせている"食の危険"の心配もないのだ。

「もともとマグロは水銀含有率が他の魚よりも多い。それも体重と比例して多くなりますが、完全養殖モノは、天然よりも水銀含有率が低い結果が出ています。また、"卒業証書"にはそのマグロの養殖の履歴や飼育記録を知ることができるバーコードも記載されています」(ビジネス誌記者)

まさに、"いいとこどり"の「夢のマグロ」が実現したと言えるが、

「ここに来るまでは苦労の連続でした。初年度は、孵化して稚魚になる間に半数が死んだり、養殖場に移して幼魚に育てる間にも、いけすの網にぶつかって死んだりと、ほとんど出荷できませんでした。その後、技術改良が進み、人工のエサ(配合飼料)も工夫して、昨年、2万5000尾の生育に成功しました」(近大関係者)

しかし、それでも国内消費量の1%にも満たない。そこで、近大と提携関係にある豊田通商が、長崎県五島市に、稚魚を育てる施設を来年初頭に稼働させるのをはじめ、来年秋に沖縄県名護市に養殖場を新設する「大増産計画」に乗り出すことになった。

計画が順調に進めば、稼働から5年後には30万尾の生産を予定しているというから、期待は十分。

「完全養殖マグロは、技術的困難を克服した今、養殖の場をもっと拡充できれば、供給量を増やせます。しかも、天然に比べてトロの比率が高いため、希少さゆえの高値も解決。将来的には、安全で激ウマのクロマグロが、今では考えられない破格値で購入でき、毎日、大トロを食べるなんてことも夢じゃなくなるかもしれません」(前出・ビジネス誌記者)

"黒いダイヤ"が存分に味わえる日が、今から楽しみだ!

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  • 日本VS無法韓国「太平洋クロマグロ戦争」 熾烈最前線 日本VS無法韓国「太平洋クロマグロ戦争」 熾烈最前線

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