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2014年夏の甲子園 怪物球児たちが魅せた「奇跡のプレー」回顧集

[週刊大衆09月08日号]

近未来のスター選手たちがしのぎを削る夏の風物詩。後世に語り継がれる若人の巧みな技をプレイバック!

夏の甲子園は、まさに「将来のスター選手」の見本市。各球団のスカウトたちは第2の大谷翔平(日ハム)を発掘するべく、ネット裏からグラウンドに熱視線を送り続けている。

しかし、今年の「ドラフトの目玉」ともいうべき高校球児たちは、夏の甲子園へ出場を果たせなかった。

その怪物の一人は、済美の安楽智大投手。1年生の秋からエースの座に君臨し、MAX157キロのストレートを武器に昨年の選抜準優勝を果たした。米メディアにも取り上げられたほどの逸材だが、肘の故障で夏の甲子園出場は叶わなかった。

「夏の県大会で登板し、140キロ台のストレートを投げてはいたものの、2年生時にガンガン投げ込んでいた150キロ台の剛球はなりを潜めていました。"怪物"と言うには、ほど遠かったですね」(地元紙記者)

実際問題として、ケガはどれほど深刻なものなのか。それを見極めるのが、スカウトたちの至上命題となっているという。

「済美の上甲正典監督が安楽を酷使し続けていることに、スカウト陣はハラハラしていますね。愛媛大会の直前にダブルヘッダーの練習試合が組まれたんですが、第1試合に完投させた安楽を2試合目にリリーフ登板させるような采配。スカウト側からは"逸材を潰すつもりか"と怒りの声が上がっています」(前同)

いずれにしても、ドラフト本番までスカウトたちの情報合戦は続いていくはず。プロの世界を巻き込む騒動を起こすこと自体が、"奇跡のプレー"と言えるかもしれない。

安楽に続き、ほぼ全球団のスカウトから熱視線を受けているのが、昨年夏の優勝ピッチャー・高橋光成投手(前橋育英)だ。MAX148キロのストレートと縦のスライダー、フォークを武器にする好投手で、「西の安楽、東の高橋」と、その評価は高い。

昨年の大会後、指を骨折。予想以上に回復が遅れ、ぶっつけ本番に近い形で県予選に登板したが、ケガのハンデもあって予選敗退、甲子園連続出場を逸した。

「骨折は治れば後に響かないので、スカウトも安楽ほどは心配していません。間違いなくドラ1候補です」(全国紙運動部記者)

また、群馬大会を制した健大高崎は、高橋のスライダー対策として、"秘密特訓"を敢行したという。

「高橋のストライクからボールになるスライダーを振らされないように、ストライクゾーンの低めいっぱいに糸を張っての打撃練習を行ったそうです。糸より下を通るボールは徹底的に見送る。こうした秘策を経て、健大高崎は昨年の優勝投手を打ち砕きました」(前同)

秘密特訓が行われること自体が、怪物の証明と言えるだろう。

その高橋を打ち込んで、名を上げた選手がいる。群馬県代表として出場した健大高崎の主砲・脇本直人外野手である。「上州のゴジラ」の異名を持ち、高校通算57本塁打を放つ、大会屈指のスラッガーだが、2回戦の利府戦で新たな顔を見せた。

「1試合で4盗塁を成功させ、走塁技術の高さも見せつけました。スカウトの評価は、またひとつ高まりましたね」(スポーツ紙記者)

安楽、高橋の二大投手が甲子園出場を逃す中、今大会の出場投手でナンバーワンの呼び声が高いのが、盛岡大附属の松本裕樹投手。最速150キロのストレートにカーブ、スライダー、チェンジアップと多彩な変化球を操り、制球力も抜群。

「初戦の東海大相模戦では、雨でぬかるんだグラウンドコンディションを考慮に入れ、速球に頼らず変化球で打たせて取るピッチングに徹していました。そうした切り替えができる"能力"の高さに、スカウトたちの評価はうなぎ登りです」(スポーツ紙デスク)

3回戦で敗退した松本投手だが、阪神が1位候補に挙げているとの情報もあり、指名候補に挙げるチームは増えるだろう。

今大会で、松本に苦杯をなめさせられたのが東海大相模。伝統的に強打がウリのチームだが、今年は青島凌也、佐藤雄偉知、小笠原慎之介、吉田凌各投手の4人が、"140キロカルテット"としてクローズアップされた。

敗れた盛岡大付戦でも、そのうち3人で奪った三振は15個。27アウトの半分以上が三振という計算だ。

「亡くなった東海大相模の原貢監督が、3年前の秋、"来年から、すごい投手が立て続けに入ってくるんだ。これから東海大相模の黄金時代がやってくる"と相好を崩していたのを思い出すね」(ベテラン記者)

140キロカルテットの2人が、まだ2年生というから末恐ろしい。12年度のジャイアンツカップの優勝投手・小笠原と県大会決勝で20三振の快投を見せた吉田の2年生コンビは、来年も大暴れして、ドラフトにおいて高い順位で指名されるのは間違いない。


プロも注目する「都立の星」

近年は公立高校にも有力な選手が集まることが多くなっているが、プロからもマークされる「都立の星」を2人紹介しよう。

まずは都立小山台のエース・伊藤優輔投手。「伸びのある最速144キロの直球とキレのあるスライダーは、3歳から12歳までの水泳経験で、肩肘の柔軟性を養ったことで生まれたそうです。本人は進学を希望しているが、プロからの"誘い"があれば、心は揺らぐかもしれません」(民放スポーツ局記者)

もう一人の「都立の星」は都立雪谷の鈴木優投手だ。"都立のダルビッシュ"の異名を持つ鈴木は、最速145キロの直球とスライダー、カーブ、スプリットなど多彩なボールを投げることができる。

「本格的に投手を始めたのは高校1年生からというから驚きですね。1年生の秋にエースナンバーを獲得し、2年生の春、葛商戦で6回、1安打13奪三振の快投で一躍、脚光を浴びました」(専門誌記者)

2年生の夏からプロの注目が集まり始めたが、3年生の春の大会には、鈴木のピッチングを見るために阪神を除く11球団のスカウトが集結するまでになった。

昨春の選抜優勝校である浦和学院のエース・小島和哉投手の進路にも注目が集まっている。昨夏の甲子園は1回戦敗退に沈み、今年こそはと雪辱を狙っていたが、埼玉大会の3回戦で敗退。新たに覚えたカットボールを甲子園で披露することはなかった。

小島についてはDeNAが興味を示しているという噂もあるが、「ドラフト2位」という評価だともっぱらである。

打てる捕手としてプロから高く評価されているのが、福岡・九州国際大学付属の清水優心捕手だ。

遠投115メートル、二塁送球タイム1秒78の強肩を持ちながら、場外満塁ホームランを公式戦で放った頼れるスラッガーでもある。その飛距離は推定150メートル。2年生の秋に県大会7試合で4発と、その打棒をいかんなく発揮し、主将として県大会V、九州大会進出を達成した。

甲子園でも2安打と力の一端を見せたが、超スローボールで有名になった東海大四の西嶋亮太投手の投球術に翻弄されて1回戦敗退。それでも、清水は4打数2安打1打点の"結果"を残し、一人気を吐いた。

敗戦後、清水は「できればプロで勝負したい。打てる捕手は少ないと聞いているので目指したい」と早々とプロ志望に意欲を示した。


野手では唯一のドラ1候補!

スカウト陣が「今年のナンバーワンバッターは、この選手しかいない」と、声を揃えるのは奈良・智辯学園の岡本和真内野手だ。

「飛距離が、とにかくハンパじゃない。正真正銘の超高校級スラッガー」(スポーツライター)

世界のホームラン王と言われるソフトバンクの王貞治会長は、若い選手の技量を測るときは、次のようなことを見ているという。

「投手はボールの速さで、打者は遠くに飛ばす能力。こればかりは、教えて簡単にできるものではない。その人の天性のモノなんだ」

王会長の言葉を借りるまでもなく、岡本はバットマンとして天性の素質に恵まれているということだろう。

「高校生の野手でドラ1候補になりうるのは、岡本だけですね」(通信社記者)

岡本がボールを飛ばす能力を持っているとすれば、バットコントロールの技術が高いと言われているのが、横浜の浅間大基外野手だ。
「基本的には、打率を稼げるタイプ。足もあるし、肩もいい。バランスよく走攻守の三拍子揃った選手で、巨人や阪神をはじめとする8球団が興味を持っていると言われています」(前同)

数々のプロ野球選手を輩出してきた名門の横浜には、もう一人、ドラフト候補がいる。ロッテに在籍している高濱卓也内野手の弟である高濱祐仁内野手だ。

「兄よりもうまくなってプロに入りたい」という一念で、佐賀から横浜にやってきたという。

「兄貴よりスケールの大きさを感じる」そうスカウトに言わしめる逸材だ。

10代の少年が、夢を叶えるために親元を離れて切磋琢磨する姿は胸を打つものがある。

野球評論家の橋本清氏はこんな期待を口にする。
「今年の高校生には、大谷、藤浪、あるいは松坂、ダルビッシュクラスの選手はいません。とはいえ、磨けば光る素材はたくさんいます。即戦力というよりも、将来が楽しみですね」

甲子園を沸かせた怪物たちが、プロの世界で大活躍する――そんな未来が待ち遠しい。

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