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医者が教える 「健康寿命」の延ばし方

[週刊大衆10月13日号]

男性の平均的な要介護期間は約9年とも。家族に迷惑をかけず最期まで元気に過ごすための生活習慣とは!?

「長寿者の中には寝たきりや認知症の方もいます。こういった方々も含めた統計が平均寿命。一方、健康寿命とは、介護を必要とせず、自立した生活が何歳までできるか、ということです」(厚生労働省詰め記者)

いくら長生きしても、介護が必要であれば、家族の負担や医療費は増すばかり。

「厚労省も近年、健康寿命を延ばす、つまり寿命の質の向上を提唱していますが、健康寿命以上に平均寿命が延び、両者の差は開く一方です」(前同)

厚労省のデータ(2013年)によれば、日本の男性の平均寿命は80.21歳(女性は86.61歳)。これに対し、「健康寿命」は70.42歳(同73.62歳)で、9.13歳(同12.68歳)の開きがあるという(2010年のデータ)。

「男性は、晩年の約9年間を要介護状態で過ごしていることになります」(同)

長生きはしたいが、人の世話にはなりたくない。というわけで、100歳までピンピンに生きるための"健康寿命の延ばし方"を名医にアドバイスしてもらった。

「まず、行きすぎた清潔志向を正すべきです。床に落ちた物でも拾って食べてかまいません」

真っ先に、こうアドバイスをしてくれたのは、藤田紘一郎・東京医科歯科大学名誉教授(医学博士)。

薬用石けんや温水洗浄便座も使わない。バイ菌を退治しないこと」

それにしても、なぜ藤田博士はこんな意外とも思えることを言うのか?

「人が病気にならないように、体内では免疫が常に働いていますが、実にその約70%は腸内細菌の働きによるものです。この腸内細菌を活性化させるには、外から菌を取り入れ、刺激を与えることが必要不可欠なんです」(前同)

藤田博士は腸研究の第一人者で、『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』(ワニブックス)の著書もある。

驚くなかれ、藤田博士は1日1個、土の中に潜む土壌菌が入ったカプセルを飲んでいるという。そのおかげで、70歳を過ぎた今も健康かつバイアグラ知らず。そんな博士が、腸内細菌を元気にする細菌がたくさん生きているということで勧めるのが発酵食品だ。

味噌、納豆などです。近年、ヨーグルト健康法が話題ですが、クエスチョンですね。確かにヨーグルトの菌はいいのですが、日本人が古くから食べてきた食品でない分、体質的に合わないこともありうるからです。それから食物繊維も積極的に摂りましょう。腸内環境が整い、腸年齢が若返ります」(同)

また、食事と言えば、長寿には粗食や菜食が良さそうなイメージがあるが、それは間違いだという。健康法に関する書籍を多数執筆する、志賀貢医師(医学博士)が勧めるのはステーキなどの肉だ。

「筋力の維持に欠かせない良質なたんぱく質を含んでいるので、寝たきり知らずの健康な体が保てます。さらに、肉に含まれているエラスターゼという酵素が、血液をドロドロにするコレステロールやカルシウムなどの成分を分解してくれるのです」

志賀医師は、60歳を過ぎても、最低週2~3日は肉を摂るべきだとも言う。


食べた後は"牛"になるべし

「肉は男性ホルモンの原料にもなります。男性ホルモンが減ると、性欲が減り、さらに男性更年期症候群にもかかりやすくなります」(前出・藤田博士)

また、前出の志賀医師は、健康のために、特に意識すべき臓器は肝臓だという。

「肝臓は、ご存じのように解毒の働きをします。それ以外にも、たんぱく質やビタミンを分解し、アミノ酸を生成する栄養工場でもある。肝臓が弱ると糖尿病や心臓疾患など、生活習慣病のリスクが高まります」

厚労省の発表によれば、寝たきりになる要因の第1位に脳血管障害が挙げられているが、糖尿病患者はその発作を引き起こす可能性が非常に高いのだ。

そんな事態を避けるためにも肝臓対策は急務。そこで、志賀医師が勧める健康法が、食べたら横になること。"食べた後に寝ては牛になる"とよく言われるが、牛は大いに結構なのだ。

「横になると、肝臓に血液がどっと流れ込み、肝臓の負担が少なくなる。横になったときの血流を100とすると、立っているだけでは50しか流れません。激しい運動や労働が加われば、さらに20~30%も血流は悪化します」

一方、ボケ防止に重要なのが活性酸素の除去だ。近年の研究で、脳細胞が変性して起こるアルツハイマー型認知症は、脳内にたまった活性酸素が原因であるとわかってきたという。

医療ジャーナリストの牧潤二氏は、こう語る。

「活性酸素はストレスによっても発生する現代人の天敵です。これを取り除くにはSOD食材が有効です。SODとは"スーパー・オキサイド・ディスムスターゼ"の頭文字を取った名称で、直訳すると『活性酸素を除去する酵素』という意味になります。これが多く含まれている食材がごま、ほうれん草、大豆などです」

前出の藤田博士は、活性酸素の発生を抑えるため、50歳を過ぎたらご飯やパンなど、糖質の多い主食を控えることを勧める。

「人間が体内でエネルギーを作る方法には、糖分だけを燃料とする"解糖エンジン"と、酸素を使う"ミトコンドリア・エンジン"の2種類があります。若い頃は前者がメインですが、だいたい50歳を境に、糖分を必要としない後者がメインに切り換わります。それにもかかわらず、摂る糖質の量を減らさないと、ミトコンドリア・エンジンがうまく働けず、大量の活性酸素を発生させてしまうんです」

主食に加え、糖分の多いお菓子やジュースなども控えたほうがいいという。

また、老後に必須なのは、手助けを借りずに歩ける筋力。"老化は足から"という言葉もあるが、下半身の筋力は上半身の3倍の早さで落ちるという。体が支えられなくなれば、車イス生活、果ては寝たきりだ。


大笑いすると免疫力が上がる

エレベーターを使わず階段を使ったり、一駅分歩くなど、ウォーキングがお勧めですが、それも億劫(おっくう)という方は、家の中でストレッチだけでもやってください。ストレッチは、日常生活で使っていない筋肉の血流も良くします。良くします。ストレスをためない疲れにくい体を作るうえでもストレッチは有効です。また、活性酸素などの有害物質も取り除けます」(前出・牧氏)

ストレッチを就寝前に行えば、副交感神経が活発になり、若返り効果のある深い睡眠にもつながるという。こうした運動だけでなく、気持ちの持ち方も、健康寿命に大きく影響するという。

「ポジティブ思考が大切です。そして、1日1回以上は大笑いしましょう。笑いは副交感神経を優位にし、免疫力を上げます。それに何歳になろうが、恋する気持ちも忘れてはいけません。"もう年だからセックスできない"というのがわが国では常識ですが、それは自己研磨を怠けていることの言い訳に聞こえます。まさに"性は生なり"です」(藤田博士=以下同)

加えて、毎日の習慣で大事にしたいのが入浴だ。

「体をただ清潔に保つだけならシャワーでも問題ないでしょう。しかし、健康に主眼を置くと、"シャワーだけ"は良い習慣とは言えません。浴槽にしっかりつかりましょう。なぜなら、腸の機能を活性化し、がんを予防するには、体を十分に温めることが必要だからです」

体温を1度上げると免疫力が3割アップするとの報告もある。週に1度、銭湯など広い湯船にゆったりつかるのもお勧めだ。また、健康の敵とされるタバコについては、意外な事実が……。

「ある銀行に招かれて2年続けて講演したところ、1年前に定年を機にタバコをやめると宣言した方は、翌年、10名中5名ががんになっていました。逆に、やめなかった方は10名とも健康でした。ヘビースモーカーはともかく、禁煙のためにストレスを感じるくらいなら、1日5~10本は許容範囲だと思います」

晩酌はどうだろう?

1日でビールなら大瓶2本、日本酒なら2合までが許容範囲です」

また、アルコールの分解には大量の水分が使われるため、飲む際は、水を多めに摂るようにすると肝臓への負担が少ない。ただし、お茶は利尿作用があるため逆効果だ。

以上を参考に、いつまでもピンピンしていようではありませんか!

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