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受給額早見表で将来を把握できる! 年代別「もらえる年金」丸わかりガイド

[週刊大衆11月24日号]

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国民の老後を支える年金制度。暗い未来ばかりが強調されるが、実際に受け取れる額は? 今すぐ理解できる簡単解説!

「自身の公式ホームページのトップに"美しい国、日本"と掲げる安倍首相ですが、なにが美しいもんですか! 裏では、年金官僚と一緒になって、年金制度の改悪を着々と進める"汚い国"ですよ!」
こう鼻息荒く語るのが、その年金を管轄する省庁である厚生労働省の現役職員。どういうことか?
「受給する年金は減らされ、逆に徴収される保険料は増えていく……。安倍政権による"年金大改悪"がいよいよ目前に迫っています」(全国紙経済部記者)

65歳以上の人口は3200万人を超え、4人に1人が高齢者となった超高齢化社会。そんな日本で暮らしていく将来に備えるために、いったい何ができるか。いざ受給開始になったらいくらもらえるのか。今、年金についてしっかりと考えておく必要がありそうだ。
まずは年金の仕組みを、簡単に理解しておこう。
老後の主要な収入源である年金は、あらかじめ保険料を納めることで、給付を受けることができる社会保険制度だ。
年金制度を家にたとえると、基礎年金部分の国民年金は1階にあたる(下の図を参照)。


学生も無職の人も日本に住む外国人も、20歳以上の全員がこの「国民年金」に入り、60歳になるまで月々1万5250円の掛け金(2014年4月時点)を支払うことが義務づけられ、65歳から給付を受ける。40年間加入すれば、満額の77万2800円が毎年もらえる。

2階部分は職業で分かれ、民間サラリーマン、派遣社員などは「厚生年金」に、公務員や教職員は「共済年金」にも加入することになっており、国民年金分とあわせた掛け金が毎月の給与から自動で天引きされている。こうした人を「第2号被保険者」という。
第2号被保険者の厚生年金・共済年金分の掛け金は労使折半、つまり、自己負担分は半分となっており、受給額は現役時代の報酬に比例して決まる。また、第2号被保険者の配偶者は「第3号被保険者」といい、自ら保険料を納める必要はない。
これに対し、農業、漁業、商店主などの自営業者、パート、アルバイトなど、要するに、第2号被保険者と第3号被保険者以外の20歳以上60歳未満の男女は、国民年金に加入する「第1号被保険者」である。

もっとも、サラリーマンならすべて厚生年金に自動加入になっているかといえばそんなことはない。
「法律上、法人、たとえば株式会社などは、一人でも厚生年金に入らないといけません。ここでいう"一人"は従業員に限らず役員でもです。また、個人経営でも、5人以上の労働者がいれば加入しなければなりません(ただし、飲食業や農林畜産業などが適用外)。しかし、厚生年金掛け金の半分を負担するのを雇用側が嫌がり、入っていないところは多数存在します」
こう解説するのは、光嶋法務・経営コンサルティング事務所の代表であり、特定社会保険労務士の光嶋卓也(こうしまたくや)氏だ。給与明細上は年金分を差し引かれていても、実際は代理納付されていないケースもあるというわけだ。厚生年金を納めていないということは国民年金も同様に未納ということ。もしも不安ならば、最寄りの年金事務所や、誕生月に自宅に届く「ねんきん定期便」などで確認しよう。

正社員だけでなく、派遣社員も基本的に厚生年金に加入する。
「雇用契約期間が2か月以上で、勤務時間と勤務日数が派遣先の通常労働者の4分の3以上なら加入となります。その場合、派遣先ではなく派遣元の会社が加入します」(前同)
また、国民年金に加入していないケースが多いのが、第1号被保険者の配偶者だ。「夫が働き、年金の掛け金を払っているから、妻である自分も自動的に加入しているはず」と、第3号被保険者のように思っていたら大間違い。
第3号被保険者の場合、夫が第2号被保険者になる際、会社などの雇用者が黙っていても手続きしてくれるが、第2号被保険者以外の配偶者は、第1号被保険者である夫か、もしくは自分で手続きしなければならない。

「特に、夫が脱サラし、第2号被保険者から第1号被保険者になった場合など、妻は自動的に第3号被保険者の資格を失います。夫か自分が、最寄りの役所の国民年金窓口で手続きして第1号被保険者に変更し、自分で掛け金を支払わなければ年金受給資格は得られません」(同)
以上が基本的な仕組みだ。これらを把握した上で、冒頭で触れた"年金大改悪"の想定されうる中身を具体的に見てみよう。その内容に驚愕するはずだ。
物価が上がれば、年金の額自体は同じでも、実質的には目減りする――それを防ぐためにも、かつての年金は"物価スライド制"をとり、たとえば物価が3%上がれば、年金受給額も3%上げていた。

「ところが、04年の小泉政権時代に、"マクロ経済スライド制"に移行されました。年金加入者の減少や平均寿命の延び、社会の経済状況を考慮して年金の給付金額を変動させる制度で、物価上昇分ほど受給額は上がらなくなりました」(前出・記者)
結果、毎年0.9%が実質的に減少する見込みになった。ところが、今年の厚労省の試算では、2030年代からは、その目減り分は2%近くにまで及ぶことが判明した。つまり、現在、まだ掛け金を払っている現役世代なら、今後20年間で現在の受給額より2割以上も目減りする可能性があるというのだ。これだけではない。
「かつての年金は、60歳から支給されていましたが、現在は65歳から。厚労省は、企業定年制のさらなる引き上げなどを条件に、これを67~68歳まで引き上げることを狙っています。近い将来、70歳からの受給開始なんてことも……」(前同)
これと連動するように、厚労省は、国民年金の納付義務を65歳まで延長する案を、来年の通常国会で通したい構えだ。

「保険料は年々上がり、厚生年金の場合、17年まで段階的に保険料率が引き上げられ、17年以降は給料の18.3%にもなる。おまけに、第3号被保険者を廃止し、サラリーマンの妻にも月1万5000円を払ってもらう計画まであります。負担は増えるばかりです」(同)
先行きが不安な年金。だからこそ、将来を冷静に見極めるためにも、いったい自分はどれだけ年金をもらえるのかを、しっかりと把握しておきたい。

あなたの受給額はいくらか?

そこで、スキラージャパン株式会社取締役で、ファイナンシャルプランナーとして活動中の伊藤亮太氏の監修・試算協力のもと、これらの諸条件を加味した年代別の「受給額早見表」を作成した。まずは、第1号被保険者の方から見ていこう(下表参照)。



都内で同級生の奥さんと二人でクリーニング屋さんを営むAさんは、現在45歳。20歳から25年間、毎月約1万5000円の掛け金を支払ってきた。
仮に、今後も15年間、欠かさずに支払うとすると、左ページの表の中で○で囲まれているように、65歳からは、月額5万3000円の年金がもらえるということになる。奥さんも国民年金をしっかりと払っており、夫婦合わせての受給額は月10万6000円。
Aさん夫妻の場合、自宅があり、ローンの支払いも終わっている。しかし、家賃負担がないとはいえ、月11万円にも満たなくては、最低限の生活さえギリギリだろう。これが、一人暮らしで持ち家もなく、月5万3000円で生活するとしたら……。

「国民年金の掛け金を満額支払っている人は珍しいぐらい。最低25年以上納めていれば受給資格はあるが、加入期間が1年少なくなるごとに、年金は月額1900円少なくなります。25年だと月額3万円ほどなのです」(前出・光嶋氏)
なお、納付期間を現在の25年から10年に短縮する年金機能強化法が、来年10月にも施行予定だ。だが、10年納付では3万円以下の受給額にしかならず、政府が少しでも多くの納付金を集めるためではないかと邪推したくもなる。

続いては、第2号被保険者の場合(下表参照)。機械製作会社で課長として働く55歳のBさんの将来の年金受給額はどうだろう。


Bさんのボーナスも含めた平均月収は約35万円。こちらも、次ページの表の中で○で囲まれているように、65歳時の年金受給額は18万7000円になる。第1号被保険者と違い、第3号被保険者=妻の年金支給額も含む夫婦合計の金額だ。先ほどのAさんのケースより金額的には余裕があるように感じられる。
だからといって、自営業者をはじめとする第1号被保険者が、第2号被保険者に比べて虐げられた地位にあるわけではないと、前出の光嶋氏は解説する。
「自営業者などの場合、経費分などで税務上のかなりのメリットなどがあります。それに国民年金の掛け金だけなら夫婦2人分あわせても月約3万円なのに対し、サラリーマンの場合、2階部分の厚生年金分も合わせ、毎月給料の20%弱が引かれているわけですから」
さらに、Bさんのケースを見ても、受給開始時の65歳の時こそ18万7000円ながら、その後、物価上昇に伴う実質的な目減りなどで、男性の平均寿命である80.21歳を迎えた時の受給額は、16万4000円と2万円以上も減るのだ。

「昨今、年金目当てに、定年を待って離婚する事例が増えています。年金を受け取る権利は夫婦で分割でき、仮に夫が年金分割を拒んでも、家庭裁判所に申し立てれば、妻に50%の権利を認める決定が出るのが一般的です」(弁護士)
結果、Bさんの年金は月10万円に満たなくなることだってありうるのだ。
では、こうした悲惨と言ってもいい老後の年金額を少しでも増やす手立てはないのか? 光嶋氏は、まず、第1号被保険者向けに、こうアドバイスしてくれた。
「国民年金基金、または付加年金と確定拠出(きょしゅつ)年金に入るのも手です。むろん、元気に働ける間にせっせと預金するのが一番ですが」

第1号被保険者の家の2~3階部分に当たるのが「国民年金基金」だ。加入は任意の公的な個人年金で、国民年金基金は国民年金の一部資金を外部委託した専門家に運用してもらい、その運用益を基に65歳以降にもらう年金額をアップしてもらおうというものだ。
7種類存在する国民年金基金のそれぞれの詳細は省くが、35歳で加入し、毎月約1万5000円を60歳まで払った場合、65歳からの予想受給額は年30万5000円。月2万5000円以上の上積みになる。
「最大のメリットは、月あたりの掛け金の上限6万8000円、年にすると81万6000円がまるまる所得から控除できる税金面の優遇措置。民間の個人年金の場合、控除額は年間4万円までですからね」(光嶋氏)
「付加年金」の月々の掛け金はわずか400円。たとえば40歳で加入して60歳まで20年間払うと、受給額は年4万8000円。つまり年金受給額が月額4000円アップする。
「この付加年金の20年間の掛け金は400円×240か月=9万6000円だけ。ですから、2年間受給すれば元が取れる。実にお得です。ただし、1口しか掛けられません」(前同)

年金受給を先延ばしすれば…

あわせて薦めるのが「確定拠出年金」(個人型)だ。なぜ、こちらを薦めるかというと、付加年金に加入した場合、国民年金基金には加入できないからだ。こちらも国民年金基金同様、税金面の優遇措置がある。
「厚生年金基金は年金方式の受け取りしかできませんが、確定拠出年金は一括で受け取ることもできます。ただし、国民年金基金が約束した給付額を確実に受け取れるのに対し、確定拠出年金は、各個人が運用の指示を出し、結果、リターンが大きい場合もありますが、逆に元本割れすることも。また原則、60歳まで途中解約できません」(同)

一方、第2号被保険者の場合は、「厚生年金基金」に入るのが一般的。その性格やメリットは国民年金基金と同じだ。
ただし、この厚生年金基金は、業績悪化で解散するところが出ている。解散した場合、掛け金こそ戻って来るが、上乗せ部分の年金額は全額カットの場合もあるので要注意だ。
その他、防衛策として、年金受給を先延ばしする方法もある。元気で仕事もあれば、何もリタイアすることはない。
「1か月繰り下げると0.7%増額されます。1年だけでも8.4%、5年だと実に42%も。逆に繰り上げも60歳まで可能ですが、その場合、約30%も減額されます」(前出・記者)

自分の年齢や環境に応じて、来たるべき老後に備えてほしい。

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