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終活大特集 お墓とお葬式の 「意外裏ワザ」 20

[週刊大衆01月26日号]

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人生の最期を締めくくるための活動――"終活(しゅうかつ)"が今、ブームになっている。
というのも、「葬式には金がかかりすぎる」「妻から一緒の墓に入りたくないと言われて困っている」など、葬式や墓についてトラブルが急増しているからだ。
そこで、そうならないように生前から準備をし、有意義な最期を迎えようというのが"終活"の考え方。
さらに、家族の不慮の死で、いつ、自身が喪主を務めるともわからない。いざという時に、揉めたり、損をしたりしないための「裏ワザ」を一挙、紹介しよう。



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故人の死後、真っ先に直面する問題が葬式の手配だが、突然の事態で慌てがちなだけにトラブルも多い。

終活・葬儀・老い支度相談所『明石コンサルティング』代表の明石久美さんによると、葬儀に関するトラブルで最も多いのは、やはり金銭面。特に、見積もり額と実際の請求額が違うという、遺族側の不満が目立つという。
「まず、遺族側が肉親の死に動揺し、葬儀会社の説明をきちんと聞ける精神状態にないという事情があります。もう1つは、よくわからないことを急いで行わなければならないためです。私が見積もりの現場に立ち会った経験から言っても、見積もり時に葬儀会社がはっきり説明していたことを、遺族側が後になって、覚えていなかったり、思い違いをしていたりすることもあります」(明石代表)

確かに、親族が亡くなったばかりで動揺している最中に、いろいろ説明されても、いちいち覚えていられない。逆に、そんな遺族の動揺につけ込む業者もいるから要注意だ。

「そうならないため、事前にいくつかタイプの違う葬儀会社に、いざという時にはこういう葬儀をしたいからと、見積もりをもらっておくことが大事です。見積もりを取るだけなら無料です。最近はそういう人が増えていますし、見積もりを取ったからといって、その業者に頼む必要もありません。むしろ、葬儀会社の話を聞いていると、その業者がいい葬儀社かどうかわかってくるものです」(前同)

最近はインターネットで葬儀会社を探す人が増えているが、問題は、いい葬儀会社を見極めるポイント。
明石代表は、こう助言する。
「いい葬儀会社というのは、遺族側のニーズをできるだけ葬儀に反映させようという姿勢を見せてくれるところ。たとえば、"こういう内容にしたほうが故人の供養になります"との説明を事前に受ければ、あとから、ああしておけば良かったなどと、後悔せずにすみます。また、"こちらのほうが費用が抑えられます"など、様々なプランを提案してくる業者は信用できるでしょう」

次に、事前に必ず準備しておきたいのは遺影だ。

終活カウンセラーの石崎公子さんは、こう語る。
「遺影というのは遺族の心の中に生き続けるもの。私の義母は、義父が亡くなっても、"この遺影のおかげで私は寂しくない"と、今でも話しています。その写真は、皆が集まったときに、義父が楽しそうにしている写真。遺影というのは祭壇に飾られるわけですから、故人を偲べるものでないと、いいお別れができません」

もし用意していなかったら、どうなってしまうのか。
「何かの折の集合写真を引き伸ばして背景を加工して使われたり、最悪の場合、死顔を遺影に使ったりしなくてはならないケースも出てきます」(前同) 葬儀内容の希望を書いておく

また生前、どのような葬儀がしたいか"エンディングノート"に書いておくことも重要だ。『失敗しないエンディングノートの書き方』の著者、石崎さんは、
「死後に自分の意志を託すものとしては、遺言と遺書があります。そこに、最近は"終活"ツールとしてエンディングノートが加わりました」
と語る。遺言と違い、遺書とエンディングノートに法的拘束力はない。
「エンディングノートに書かれた内容にとらわれることはないんですが、遺族はできるだけ故人の遺志を尊重しようとするもの。あまり多くのことをエンディングノートに書くと、逆に遺族が困ってしまいます」(前同)

たとえば、散骨のように、社会的に一般化されていないことを故人が望んでいる場合、エンディングノートに書いておくといいという。
「遺書が私信であるのに対して、エンディングノートは死後、他人にシェアされることが前提になっています。故人に特別な希望がある場合、ノートに書き残しておけば、喪主が、他の遺族の理解を得やすくなる利点があります」(同)

最近は、妻が夫の実家の墓に入りたくないというケースも増えているが、そういう場合もエンディングノートに、その遺志を書き残しておくことが大切。妻の葬儀の際、喪主の夫が親戚一同からヤリ玉に挙げられても、それが故人の強い意志だとわかれば、親戚も納得せざるをえないからだ。

だが、こうして事前にあれこれ準備しておいても、まだ万全とはいえない。
いざという時に選択を誤りがちなのが、通夜や葬儀の読経を誰に頼むかだ。これが後々、揉め事になるケースもあるという。前出の明石代表がこう続ける。
「遠方にあるからといっても、菩提寺に連絡せず、葬儀会社に近くの寺を紹介してもらうと、葬儀を2回する羽目になりかねません」

葬儀を終えて遺体を荼毘に付すと、次に納骨という手順となる。しかし、納骨まで菩提寺に連絡しないでいると、ヘソを曲げられ、納骨を拒否されてトラブルになる例もあるからだ。
なかには、菩提寺から納骨費用として200万円を要求された例もあるという。

「そんな事態を避けるため、まずは菩提寺に連絡すべきです。そうすれば、菩提寺が、自宅の近隣にいる同じ宗派のお坊さんを紹介してくれたり、戒名はこちらで準備するからと、いろいろ指示してくれます」(前同)

ここまで準備を整え、いよいよ葬儀会社と葬儀の具体的な打ち合わせとなるわけだが、やはり、気になるのは葬儀費用。
「日本消費者協会の調査によると、葬儀費用は全国平均でおよそ189万円。アメリカの葬儀費用の約5倍というデータもあります」(情報誌記者) 集まる香典額を試算しておく

参列者から香典をいただいても持ち出し覚悟、つまり赤字になることは葬儀の常識だ。しかし、やり方によっては費用を抑えられる裏ワザがあるという。

その際のポイントが、葬儀費用で最もかさばる祭壇選び。しかも、料金はピンからキリまで。固定費で最もカネのかかる部分だから、祭壇選びが葬儀を安く上げる際の重要なカギとなる。

その祭壇には二種類ある。従来タイプの白木祭壇と最近流行の花祭壇だ。故人の好きだった花で祭壇を飾れる花祭壇は「葬儀会社にとって利益率が高く」(葬儀業界関係者)、遺族の人気も高い。それだけに割高なイメージがあるものの、必ずしもそうではないようだ。

「白木の祭壇は、葬儀で使い回しされるもの。まずそれを嫌う遺族がいらっしゃいます。しかも、供花の数が少ないと、葬儀の最後のお別れの際、柩(ひつぎ)の中に入れるお花を別に頼まなくてはなりません。その点、花祭壇なら、祭壇の花を使えます」(明石代表)

このほか、葬儀には、会場の使用料や棺、ドライアイスや遺体保棺料、寺に渡すお布施、受付セットや焼香台などの設備費用がかかる。これらはすべて、祭壇と同様、参列者の人数に関わりなく発生する固定費の部分だ。

ゆえに、会葬者からの香典がたくさん集まれば、それら固定費をカバーできる。
「したがって、故人が60代から70代で、仕事の関係者をはじめ、大勢の会葬者が見込める場合、支払いが少なく済むことがあります」(前同)

葬儀の前に会葬者の人数と香典代を試算し、その予算内に収まるように葬儀会社に相談すれば、持ち出し分をゼロに近くすることも可能というわけだ。
「しかも、会葬者が多く、お花(供花)をいただけると、祭壇が小さくても見栄えが悪くならずに済みます。そうなると、祭壇費用も節約できるわけです」(同)

これこそが究極の裏ワザだが、それはあくまで、会葬者が大勢来てくれるという前提の話。高齢になると、仕事上のつきあいもなくなり、あまり会葬者は見込めない。

そこで最近では家族葬が多くなっている。ごく親しい身内だけを呼び、こぢんまりと行う形態の葬儀だ。しかし、この家族葬にも落とし穴があるという。
「家族葬と言いつつ、身内以外に故人のお友達も呼ぶケースが多くあります。一般葬の場合だと、お通夜で会葬者は焼香を済ませ、別会場で軽く食事をしたら、すぐお帰りになりますが、家族葬の場合、会葬者は全員、親族と同じように行動します」(同)

つまり、お通夜の間、ずっと親族と一緒にいるのだ。
「そうなると、大きな式場にしたり、飲食費などがかさばったり、結局、一般葬より費用がかかってしまうケースもあるんです」(同) 割引販売、ロッカー式…etc.
安くても安心できる!正しいお墓の選びかた


世間の常識は非常識。続いて、お墓選びの裏ワザを紹介しよう。

やはり、墓石のことは石屋に聞くべき。そこで、京浜地区に販売網を持つ大橋石材店(神奈川県横須賀市)の大橋理宏社長を直撃した。
「お墓作りは、石の四角い立方体からお好みの形に作っていくわけですが、削った部分もすべて材料費。したがって、できるだけ安く上げたいのなら、四角いお墓だと材料を無駄なく使えるため、お得になります」

墓の永代使用料を含めてお墓にかかる費用は全国平均で150万円から250万円といわれる。葬儀費用を考えると、ここも、できるだけ安く上げたいところ。
「そういう方は霊園の見本墓を探すと良いでしょう。開園した際に見本として設置しているお墓のことで、霊園の広告などをこまめに見ていると、周年記念などの際に限定で割引販売している場合もあります」(前同)

さらに、レアケースだが、寺の墓地の中には、返還され、前使用者の外柵部分(墓石が建つ土台)だけが残り、寺に永代使用料を支払えば、すぐさま墓所として使えるところもあるという。

通常、墓地は更地で引き渡されるが、
「墓石がなくても外柵部分さえあれば、とりあえず納骨はできます。あとで資金ができた際に墓石を建てればいいんです」(前同)
このほか、永代使用料の安い寺の情報を持っている石材店もあるというから、墓石を作る際に、相談してみるのもおすすめだ。

しかし、安く上げることばかり考えていると、逆に詐欺の被害に遭いかねない。
「石のサンプルを持ち歩き、経営者と営業マンを兼ねて墓石を売り歩いている連中がいます。彼らはマンションの一室を事務所に、客から注文を受けて、工務店などに丸投げして販売するわけですから、自分の儲けさえ確保できれば、ほかに販売経費は一切かからない。極端に安い場合、墓石代を客からもらってトンズラするという詐欺まがいの業者もいるので注意が必要です」(消費者団体関係者)

一方、最近、急増しているロッカー式納骨堂の場合はどうなのだろうか。
「骨壷がコインロッカーのような棚に収蔵され、お墓参りの際にお骨を出してもらう仕組みです。永代使用料は霊園や寺よりはるかに安く、都市部などで人気を呼んでいます。墓石代もかからず、安い場合だと、永年にわたって管理と供養をしてくれる永代供養料が50万円以下のケースも。都市部で新しく墓を建てるより、コスト面では比較にならないほど安いんです」(前出・情報誌記者)

しかし、これにも落とし穴があるという。
「永代供養といっても、年数が経つと、棚を移され、他人の遺骨と合葬される場合があります。また、たとえば永代供養料が50万円だとしても、それが1人あたりの料金なのか、家族全員の料金なのかによって大きく変わってきます」(前出・消費者団体関係者)

たとえば4人家族の場合、一つの棚に骨壺を4つ置くスペースがあればいいが、1つしかないと、棚は4つ必要になる。つまり、50万円×4=200万円。前述した全国平均のお墓代を参考にすると、この場合、地方にお墓を建てたほうが安くなる計算だ。

こう見ると、お墓を建て、なおかつ維持するのも大変。そこで最近、話題なのが墓じまいだ。墓を改葬し、更地にして墓地管理者へ墓地を返却することをいう。

大橋石材店の大橋社長(前出)がこう続ける。
「墓じまいというと、先祖代々の墓を片付けて、遺骨を合葬の永代供養墓に移したり、海洋散骨するというイメージが定着していますが、決してそれだけではありません。少子化の影響で一人っ子同士の夫婦が増え、一つの家でいくつもの墓を管理しなければならない事態となったため、墓を整理して一つにまとめるというのが、実際に関わると多くあります」

確かに、お彼岸やお盆のたびごとに遠方の菩提寺へ行って墓参りするのは面倒。一つでさえ管理が大変なのだから、お墓が二つも三つもあればなおのことだ。 少子化で墓じまいが大流行!

実際にその手のニーズは年々増え、大橋石材店の場合でも、墓石作りを依頼する顧客の4割(件数ベース)が、墓じまいに関係したケースだという。

この墓じまい、どういう手順で行われるのか。

まず、一度埋葬した遺骨を勝手に動かすのは法律違反であるため、役所や墓の管理者に許可を求める必要がある。その後、墓石は処分場で破砕される。
そういうと、乱暴に聞こえるだろうが、墓石に魂が宿っているとされるのは、墓に「○○家之墓」などの墓石名が刻まれているため。そこで墓の魂を抜き、墓所から撤去した後、まず、彫刻された文字に切り込みを入れ、"ただの石"に戻す作業が行われる。その後、墓石をある程度の塊に割って処分場へ持ち込むという。

ただし、改葬で墓を移す先は、主に依頼者が居住している都市近郊の霊園。墓参りに便利なことが最大の理由だが、自家用車を持っていなければ、郊外の霊園へ墓参りに出かけるのは大変。そこで最後の裏ワザをご紹介しておこう。

「お寺さんが管理者になって門前に墓地を作る場合があります。境内の中は檀家専用のお墓ですが、門前となると、境内の外になるので宗派は不問の場合もあります。郊外の霊園まで行けない人は、そういう寺院墓地を当たってみるのもいいかもしれません」(前同)

また一つ新たな年を重ねた今こそ、自身の去り際について、じっくり見つめ直してみてはいかがだろう。

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