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長嶋茂雄も患った 中高年を襲う 「ストレス脳卒中」の恐怖

[週刊大衆01月26日号]

日本球界が誇るスーパースターもその後遺症と日々、戦う病。それは心労多き現代人すべてに注意が必要だった!

今年1月3日に放送され、大きな話題となったテレビ番組『独占! 長嶋茂雄の真実 父と娘の40年物語』(TBS系)。同番組は、2004年に脳梗塞で倒れ、今も後遺症と闘う長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(78)の壮絶なリハビリ生活に密着。長嶋監督を支え続ける娘の三奈さん(46)とともにスタジオ出演し、今に至るまでの苦労を語った。
「実は長嶋さんが倒れた際、数日間は意識不明で、生きるか死ぬかの瀬戸際だったことが明かされました。三奈さんは医師から"寝たきりの可能性もある"と告げられ、大きなショックを受けたそうです」(スポーツ紙記者)

幸い、長嶋監督の意識は戻り、右半身に麻痺が残るものの、杖なしで歩けるまでに回復。だが、それはプロ野球で鍛えた肉体に加え、激しいリハビリに耐えるミスターの強靭な精神力があったからこそ。一般人ならば、はたして、ここまで回復できたかどうか……。

わが国の死因トップ3はがん、心疾患、そして脳卒中(脳血管疾患)だ。
脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがあるが、最も多いのが脳卒中全体のおよそ6割を占める脳梗塞。
「脳梗塞は脳の太い血管が詰まる『アテローム血栓性梗塞』、細い血管が詰まる『ラクナ梗塞』、それに心臓にできた血栓が流れて脳の血管を詰まらせる『心原性脳塞栓症』の3タイプに大別されます。長嶋さんは心原性脳塞栓症でしたが、このタイプの割合が近年、脳梗塞全体の約3割を占めるまで増加しています。しかも、このタイプは予防が非常に難しいとされているんです」(医療ジャーナリスト)

私たちの心臓は、健康なときは1分間に60~80回と規則正しく伸縮し、全身に血液を送っている。ところが、この心臓の動きが何らかの原因で強くなり過ぎたり(動悸)、脈に乱れ(不整脈)が起こる状態を「心房細動」という。

「この心房細動が慢性化すると、心臓がポンプとしての役割をちゃんと果たさないため、心臓に血液が停滞し、血栓ができやすくなります。結果、心房細動の人は健康な人に比べて、脳梗塞になる割合が4~5倍も高くなります。心房細動は、特に50歳を境に急増します。統計によれば、放置したままでは70代で10年間に16%、80代ですと3人に1人が脳梗塞になっています」
こう警告するのは、新潟大学名誉教授の岡田正彦氏(医学博士)だ。
脳梗塞といえば、一般には高血圧、糖尿病、喫煙、肥満などが危険因子とされる。こうした症状や習慣を持つ人は、日常的に注意を払う必要がある。

だが、長嶋監督は健康には人一倍気をつけ、これらの危険因子は持っていなかったとされる。にもかかわらず、脳梗塞を患ってしまったところに、心原性脳塞栓症の恐ろしさがある。
「心房細動になっても自覚症状がなく、したがって放置している方が多いからです。心電図検査で発見できますから、定期的に健康診断を受けている会社員なら気づくことができる。しかし、心電図検査を受ける機会がないとなると、なかなか発見が難しいのが実情なんです。そうした点からすれば、この心原性脳塞栓症は3つの主な脳梗塞タイプの中で、最も怖いとも言えます」(前同)

オシム・元サッカー日本代表監督が倒れたのも、小渕恵三・元首相の死因も、この心原性脳塞栓症だ。

脳にダメージを与える引き金、それが、「過度のストレス」だ。

産業医の下村洋一氏は、こう語る。
「高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、過度の飲酒、そして心房細動と、危険因子ははっきりしています。ストレスは、いわばこうした"不発弾"を爆発させ、脳梗塞を起こす直接の引き金になりえます。なぜなら、過度のストレスがかかると確実に血圧が上がるからです」 45歳未満の働き盛りも要注意

長嶋監督を襲った脳梗塞も、ストレスが引き金だった可能性が高い。

04年3月4日早朝、自宅で昏睡状態に陥った長嶋監督。5か月後のアテネ五輪本番を控え、過度のストレス下にあった。
「長嶋JAPANは初めてプロ選手のみで編成され、金メダルが至上命題でした。ところが、五輪予選前に行われた壮行試合でプロ野球選抜に1-3と完敗し、メディアから大バッシングを受けた。長嶋監督はその矢面に立たされましたが、幸いアジア予選決勝リーグは3連勝で乗り切りました」(前出・スポーツ紙記者)

予選突破で一転、ホッとしたのだろう、長嶋監督は帰京後、体調を崩して2日間、東京女子医大青山病院で点滴を受けている。

「実は、長嶋さん自身が"あれが脳梗塞の危険信号だった"と、のちに語っているんです」(前同)

また、近年、脳卒中の若年化が進んでおり、45歳未満の働き盛り世代も注意が必要だ。
一昨年には、当時34歳でテレビ東京の人気アナウンサー・大橋未歩さんが軽度ながら脳梗塞となり、一時的に休養していた。
「一般的には高血圧、肥満、喫煙が3大リスク。それに現代社会は、とにかくストレスフル。ビジネスマンは適度に息抜きすべきです。倒れてしまったら、会社は面倒を見てくれませんから」(前出・下村氏)

強いストレスを感じたら、要注意。まずは、お茶でも飲んで息抜きしてほしい。

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