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【武豊】さあ、いよいよキズナの復帰戦です

[週刊大衆02月23日号]

人生に役立つ勝負師の作法 武豊
さあ、いよいよキズナの復帰戦です


今年は、グァンチャーレをパートナーに、1月11日に行われたGⅢ「シンザン記念」で優勝。デビュー以来続いていた重賞の連続勝利記録を29年に伸ばし、1月25日、コパノリッキーとコンビを組んだGⅡ「東海S」も、2着以下に4馬身の差をつけての圧勝。ジョッキーとしては、最大でも6つしか勝つことのできない重賞のうち2つを手にしたのですから、まずまずのスタートと言ってもいいと思います。

さあ、そして今週は――
みなさんお待たせいたしました、いよいよ、キズナの復活です。
振り返ってみると、去年は、キズナと僕にとっては、あまりいい年ではありませんでした。

大いなる目標、「凱旋門賞」に向けた年明け初戦、GⅡ「産経大阪杯」こそ、彼らしい競馬で完勝したものの、続くGⅠ「天皇賞・春」のレース中に左前脚を骨折。長期休養を余儀なくされてしまいました。

しかも、キズナにつきあうように、7月には僕も落馬骨折……レース復帰後も、どこがどうというわけではなく、なんとなく雰囲気が悪いまま一年が終わってしまいました。
いつも通り、すべてのレースを勝つつもりで乗っているのに、どこか、なぜか、歯車がかみ合わない――こんなに歯がゆい思いをしたのは、騎手になって初めてです。もちろん、プロのジョッキーとして褒められることではありません。

この負の連鎖を断ち切るために、心の中に掲げたのは再出発――すべてをゼロに戻し、新しい武豊として出直すことでした。
その結果が、重賞2勝という数字で現れたことを、素直に喜んでいます。そして僕のこんな気持ちに合わせるように、キズナもターフに帰ってきてくれました。しかも、以前より一回り大きく、たくましくなって。
調教師も感嘆したキズナの成長力!

止まったままになっている時計の針が再び動き出すのは、2月15日に京都競馬場を舞台に行われるGⅡ「京都記念」(芝2200メートル)です。
そこからは直線一気。昨年果たせなかった「天皇賞・春」の戴冠。春のグランプリ「宝塚記念」。「フォア賞」から続く、「凱旋門賞」制覇の夢……動き出した時計の針は、二度と止まることはありません。

不安材料ですか? まったくありません。
「5歳になって、これだけ成長する馬も珍しい」
2週前追いきりを見守っていた佐々木晶三先生が、笑みを浮かべながら漏らしたこの言葉が、今のキズナの状態を表しています。

本番は2週間後ですが、今すぐにでもレースに使えそうなほど、キズナは仕上がっています。
ジャスタウェイ、ゴールドシップ、ハープスター。日本馬3頭が挑んだ昨年の「凱旋門賞」は、テレビ観戦でしたが、やはりそんなのは武豊じゃありません。今年は、キズナとともに胸を張って挑戦したい。そのための第一歩が、いよいよ始まります。人馬ともに完全復活するシーンをその目に焼きつけてください。


■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】さあ、いよいよキズナの復帰戦です

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