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賠償金3800万円も…19年前の死刑囚が冤罪だった悲しい顛末

最近、日本でも冤罪事件の再審開始が次々とクローズアップされているが、中国ではどうにも取り返しのつかない冤罪事件が発覚している。

1996年に内モンゴル自治区フフホトの工場のトイレで女性を殺害したとして、当時18歳だった青年が事件の2カ月後に死刑判決を受け、即日刑が執行された。ところが、執行から19年も経った昨年末、この青年の冤罪が確定したというのだ。

遺体の第一発見者だった同青年については、関係者からも複数回にわたり、冤罪の可能性が指摘されていた。

●なぜ、こんなことが起きてしまったのか!?

そして、2005年に別の連続婦女暴行殺人犯として逮捕された男がその事件にも関与していたと再三供述し、「自らの命をもってつぐないたい」との嘆願書を提出したともいわれている。

両親はもちろん、この問題に改めて注目し始めた弁護士やメディアも再審請求を強く訴え、内モンゴル自治区当局や中央政府、公安部も再調査に乗り出した結果、青年の冤罪が確定するに至った。

政府は内モンゴル自治区高級人民法院(高等裁判所に該当する)を通じて200万元(約3800万円)の賠償金を支払い、両親は次のように話している。
「もっと立派なお墓を建ててあげたい。今後、誤った逮捕や判決で罪もない人の命を奪うことが二度とないようにして欲しい」

中国全土の平均年収と比較しても莫大な賠償金が支払われたことになるが、両親は「でも息子の命は戻ってきません」と涙を流していたという。

この冤罪事件の背後には、当時の「凶悪犯罪ほど速やかに決せよ」という政治的キャンペーンがあった。

科学的根拠に基づかない、ずさんな調査で導かれた「スピード逮捕・スピード処刑」によって表彰され、昇進した関係者もいるため、冤罪事件と公式に認めることが難しく、これほどまでに時間が経ってしまったようだ。

この青年の名前は、モンゴル語で「発展」や「前途」という意味があるそうだ。無念のうちに亡くなった青年のことを忘れず、二度とこのような冤罪事件を起こさないよう、今回の事件を緻密に検証し、今後につなげていくことが求められている。

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