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第43回 なぜ「メール便」が廃止されるのか!?

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須田慎一郎が徹底予測!中高年のための「とっても大事なオカネの話」
なぜ「メール便」が廃止されるのか!?


宅配便大手のヤマト運輸が、この3月末をもって「メール便」を廃止すると発表した。

この「メール便」は、書類や雑誌などを届けるために利用され、利用料が一通につき82円からという安さに加え、コンビニからも発送できるという便利さが大きな魅力だった。

このため取り扱い件数も多く、昨年度(2013年度)は年間で、なんと20億通を超えていたのである。

そうだとしたならば、なぜ、ヤマト運輸はこれだけ利用者の多いサービスから撤退するのだろうか。

「メール便」は安くて取り扱いも多いのに…

新聞やテレビなど、大手マスコミはハッキリと指摘しようとしないが、日本郵便を支配下に置く総務省が、ヤマト運輸に対して締めつけを強めたため、それに耐えられなくなったヤマト運輸は、やむなく「メール便」から撤退することを決めたのだ。

そのために大いに利用したのが「郵便法」なる法律だ。この「郵便法」では、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書」について「信書」と定義し、この「信書」を取り扱うためには、極めて厳しい条件が課せられている。
そして、前述の定義に従うと、ハガキや手紙はすべて「信書」となってしまう。ここまでは、我々としては納得することができるが、例えば、次のケースはどうだろうか。果たして「信書」と呼べるだろうか。

例えば、プレゼント、贈り物に添えられた、ちょっとしたメモ書き、あるいは花束と一緒に届けられる「お誕生日おめでとうございます」と書かれたカードなどなど。

こういったものは「信書」のようにも見えるし、必ずしも「信書」とは言えないような気もする、というのが普通の感覚だろう。

「郵便法」では、ユーザーが罪になる可能性も…

しかし、そうしたものもすべて「信書」であると主張し、「メール便」に圧力をかけてきたわけだ。

しかもこの「郵便法」に違反した場合には、重いペナルティーが課せられることになるのだ。

具体的には、「最大で3年の懲役または300万円の罰金」が課せられることになるのだが、注意しなくてはならないのは、そうしたペナルティーを課せられるのが、「信書」を取り扱った業者だけでなく、「信書」の送り主にも及ぶという点だ。 つまり、ヤマト運輸が「メール便」からの撤退を決めた最大の理由はここにある。「信書」の定義が極めてあいまいであることに加え、顧客をリスクにさらすことになってしまうからに他ならない。

そもそも「信書」については、日本郵便が事業を独占する状態が続いている。恐らく、こうした状況はほとんど変わらないだろう。

その日本郵便を守るために、「郵便法」を使って、意識的にヤマト運輸に対する攻撃を仕掛けたのだ。新年のあいさつをメールで送る時代になったにもかかわらず、あまりにも時代錯誤と言えるだろう。

しかもそのツケは、われわれ利用者の側に回ってくるのだ。


須田慎一郎(すだ しんいちろう) プロフィール
1961年、東京生まれ
経済ジャーナリスト。日本大学経済学部卒。経済紙の記者を経て、フリー・ジャーナリストに。「夕刊フジ」「週刊ポスト」「週刊新潮」などで執筆活動を続ける傍ら、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」、読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」、テレビ大阪「たかじん NO マネー」、ニッポン放送「あさラジ」他、テレビ、ラジオの報道番組等で活躍中。 また、平成19年から24年まで、内閣府、多重債務者対策本部有識者会議委員を務める。政界、官界、財界での豊富な人脈を基に、数々のスクープを連発している。

第43回 なぜ「メール便」が廃止されるのか!?

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