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岩井志麻子【 三月】②不思議な体とセックスの女?

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岩井志摩子のあなたの知らない路地裏ホラー
不思議な体とセックスの女?


三年ほど前の、ちょうど今頃。春なのに肌寒い季節。やっとテレビに出られ始めた芸人の春日くんは、美人霊能力者の弥生さんと仕事をすることになった。

前日に打ち合わせをした後、ホテルにも行ってしまった。南国っぽい風貌と雰囲気のきれいな女だし、それなりに男経験もあるだろうとは思った。春日くんは女に関しては、すごく真面目だったともヤリヤリだったともいえず、並みだと自負していた。

そんな春日くんからすれば、弥生さんは何とも不思議な体とセックスの女だった。顔は年相応の美しさだが、体は妙に子どもっぽい。乳房のふくらみもわずかで、下の毛は剃っているのではなくつるつる。その中も、鮮やかなピンクだった。

●中は鮮やかなピンク…セックス具合は熟女…

なのに、春日くんが中に入るとそこはまるで何人も子どもを産んだ熟女のような感じで、悶え方もしゃぶり方も終わった後の始末の仕方も、何もかもがプロっぽいのだ。

春日くんにとっては、それらのアンバランスさや奇妙さは幻滅ではなかった。むしろ興奮させられた。やはり霊能力者なんてのは、普通じゃないなとも感心した。

そして、撮影の当日。弥生さんはカメラが回り始めると本当に顔色を変えた。
「小さな女の子がいます。さっきまでスタジオにいたけど、私達について来ました」

などと、何もない空間を指して震えたりする。春日くんは霊感がない設定。

「ええっ、俺には何にも見えないよ。でも、小さいな女の子?なんでかな」

などと大げさにリアクションするしかない。設定以前に、本当に霊感ゼロなのだ。

このテレビ局は、かつて結婚式場だったという。喫茶店や式場をスタジオに改装しているのだが、もちろん式場だった頃に居ついたのではなく、テレビ局になってから現れるようになったとも考えられるが、いずれにしても「小さな女の子」というのは不思議だ。


岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。

岩井志麻子【 三月】②不思議な体とセックスの女?

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