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安倍晋三首相を追いつめる「7人の刺客」

[週刊大衆4月3日号]

敷居をまたげば"7人の敵"がいる――飛ぶ鳥を落とす勢いだった男に陰りが見えた瞬間、敵は"獰猛な牙"をむく!!

"一強多弱"を謳歌していた安倍首相が今、じわりじわり追いつめられている。
「頼みの綱とする支持率に陰りが見えます。政権発足以降、常に高い支持率を維持してきただけに、官邸はショックを隠しきれません」(全国紙政治部デスク)
3月8日に発表されたNHKの世論調査では、「安倍内閣を支持する」は、先月から8%下がって46%。逆に「支持しない」と答えた人は8%上がって37%に。

「下がった最大の要因は、第1次安倍政権崩壊時と同様、"政治と金"の問題です。2月23日、西川公也(こうや)農水相の辞任を皮切りに、首相の"お友達"とされる下村博文(はくぶん)文科相、塩崎恭久(やすひさ)厚労相らにも疑惑が拡大。自民党サイドも民主党幹部の疑惑を追及する構えを見せたため、一時、"泥仕合"の様相を呈しました」(夕刊紙記者)

ある民主党幹部は、「下村文科相だけは、首を取るまで止めない!」と息巻いているため、この問題は当分、尾を引きそうだ。
支持率低下に危機感を強めているのが、4月に統一地方選を控えている地方の自民党議員たちだ。
「中央のイメージは即、当落に影響しますからね。なかでも、選対が激戦必至としてテコ入れをしている北海道、大分、奈良の3知事選(26日告示、4月12日投開票)が山場になりそう。うちは、農協改革で農協票離れも進んでいるから大変ですよ」(自民党関係者)

もし、ここで自民党が"3タテ"を食らうようなことになれば、それは安倍政権崩壊の序章につながる。
そんな動乱の兆しを前に、生き馬の目を抜く永田町は大きく揺れ始めているという。安倍首相を追いつめる「7人の刺客」が蠢き出したのだ。

なかでも最大の刺客と目されるのが、"自民党の陰のボス""最後の政治屋"の異名を取る二階派の領袖・二階俊博総務会長だ。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「昨年9月の内閣改造人事で首相が最も頭を悩ませたのが、二階氏の処遇でした。彼の派閥は党内第5の勢力(33人)ではありますが、政局時に見せる結束や与野党を問わない幅広い人脈には、定評があります。そのため、安倍官邸は、二階氏を野に放つのは危険と判断し、党三役の総務会長のポストを与えて、"取り込み"を図ったんです」

これが功を奏したか、今のところ二階氏は、「(9月の総裁選について)対抗軸があるとは思えない」と、安倍支持を表明している。
「ただし、二階氏と安倍首相の政策は水と油。2月に1400人を引き連れて訪韓した二階氏は、"慰安婦問題は解決していない"と発言するなど、安倍官邸の怒りを買っています。また、先の衆院選で自民党候補に競り勝った無所属議員を、党の反対を押し切って無所属のまま派閥入りさせるなど、その"豪腕"は首相の心胆を寒からしめています」(前出のデスク)

この二階氏、バリバリの親中・親韓派であり、集団的自衛権の行使にも消極的な立場。安倍首相とは、真逆の政治信条を持つ。そのため、両陣営は常に"力学バランス"に神経を尖らせているという。
「先日の中川郁子(ゆうこ)政務官の"路チュー"の相手は、二階派の門博文(かどひろふみ)衆院議員。二階氏は"子分が迷惑をかけた"と、すぐに安倍首相に詫びを入れたそうです。二階氏は官邸に"借り"を作ったことになるので、しばらくはおとなしくしているでしょうが……」(同)

一方、すでに反安倍の立場を鮮明にしているのが、"日本初の女性宰相"を狙う野田聖子前総務会長だ。
3月8日の党大会で、総裁選出馬について「危機的な状況にある日本を支えようとしている人であれば、誰でもそう思う」と発言。事実上の出馬表明をしてみせたのだ。
また、女性の活躍を掲げる首相に対抗。議員のうち一定割合を女性にすることを義務づける「クオーター(割り当て)制導入に向けた議員連盟」の幹部に就任。遅々として進まぬ首相の"女性活躍"政策に、真正面から異議を申し立てている。

「この野田氏の後ろ盾と見られているのが、古賀誠元幹事長です。彼は現在、安倍陣営に対抗するため、自民党リベラル勢力の結集に向けて動いています。もし、党内のリベラル勢力を一本化できれば、党内情勢は一気に変わるでしょうね」(前出の鈴木氏)
対して安倍首相は、「小泉郵政改革で離党を余儀なくされた野田氏の復党に尽力したのは自分」との思いがある。そのため、"恩を仇で返す"野田氏の所業に怒り心頭。両者の激突は不可避な状況だ。
手強い"南国沖縄からの刺客"

また、かつてのライバル・谷垣禎一(さだかず)幹事長も、"隠れ刺客"だと言われている。党幹事長として、現在は安倍首相を支えるが、
「親中・親韓でハト派を自認する谷垣氏は、安倍政権発足から2年以上経っても、中韓との関係改善が実現できていないことに苛立っていたんです。それで、この23~25日に約3000人の大軍団を引き連れて訪中するんですよ。2009年から途絶えていた"日中与党交流協議会"の再開という名目ですが、これはたまっていた鬱憤を晴らす意味合いが強い」(前出のデスク)

谷垣幹事長は昨年10月以降、党所属の衆院新人議員たちとの昼食会を頻繁に開催しているという。
「幹事長として新人議員に心得を伝授する――との名目ですが、本音は谷垣グループへの取り込みだとささやかれています。また、安倍政権とは反目の党内のハト派が彼を担ごうとする動きもあり、求心力が高まっているんです」(同デスク)

これを知ってか本人も、
「谷垣さんは自民党総裁で首相になれなかった2人の政治家の一人。ですが、党内人望が上がるのに気を良くし、首相の座に色気を見せ始めているようです」(政治評論家の浅川博忠氏)
というから"その気"なのだ。一方、安倍首相の"永遠のライバル"と目される石破茂地方創生相は、今も"総理の夢"を見て悶々とする日々だという。
「このところ、永田町で石破氏の影はめっきり薄くなりました。安倍政権発足後、"権限なき"幹事長に据えられたかと思えば、今度は地方創生担当なる新造ポストで、閣内に閉じ込められました。これでは謀反を起こすのも難しいでしょう」(前出のデスク)

ただ、それでも心中は"今に見ておれ"なんだとか。
「安倍首相が国会答弁に立つと、後ろの大臣席に控えた石破氏はしばしば、"オレとは違うなぁ"と、大きく首を傾げる仕草を見せます。こうした場面ひとつ取っても、石破氏が首相に心服していないことがうかがえます」(前出の鈴木氏)

そんな"不屈の刺客"石破地方相に、思わぬ援軍が登場したから面白い。
「辞職した西川氏の後釜に座った林芳正(よしまさ)農水相です。林氏は石破氏と気心の知れた仲。しかも、彼自身も12年秋の総裁選に立候補するなど"ミスター野心家"なんです。安倍内閣で一人浮いていた石破氏にとっては、"百万の味方"を得た思いのはずです」(前出の夕刊紙記者)

安倍首相の寝首をかく機会を虎視眈々とうかがう面々。ただ、刺客は永田町だけにいるわけではない。
米軍普天間基地の名護市辺野古への移設に、強硬反対姿勢を貫く沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事も、安倍首相にとっては厄介な存在だ。
「翁長県知事が上京し、幾度となく政府要人との会合を要請しても、首相はもとより菅義偉官房長官も、面会を拒否しているのはご存じのとおり。そればかりか、沖縄振興予算も前年比で約5%減額されています。安倍官邸は、辺野古移転を認めない翁長県政を徹底的に無視する姿勢ですね」(前出の夕刊紙記者)

八方塞がりの翁長県知事は、奇策に打って出た。
「翁長陣営は5月に訪米し、4月の安倍首相の訪米の"成果"を半減させようとしているんです。さらに、4月に県の駐在施設をワシントンに設置し、基地問題で米政府との直接交渉を目論んでいるんです」(同)
辺野古移転がとん挫すれば、安倍政権の安全保障政策の根底が揺らぐ。
「政府は粛々と辺野古の工事を進める予定ですが、進行に遅れが出ることは間違いありませんね」(同)

日本の南端"沖縄の刺客"は、想像以上に手強そうだ。
ここにきて、再び反原発活動を活発化させている"かつての師"小泉純一郎元首相の存在も、安倍官邸には頭が痛いところだろう。
「(安倍首相は)汚染水はコントロールされていると言っていたが、全然されていない。よくもあんなマヤカシが言えるもんだ」
と、先日の講演でも"小泉節"を炸裂させている。

支持率がさらに下がったら!?

「いまだ国民世論に強い影響力を持つ小泉さんは、安倍首相をターゲットに、本気で脱原発で動き始めています。同時に、息子の進次郎復興政務官も足繁く被災地に通うなど、父と歩調を合わせてきています」(前出の浅川氏)
"自民党のプリンス"進次郎と小泉元首相――この2人が"反原発親子鷹"となる日を、安倍首相は何よりも恐れているという。

それにしても、民主党の情けなさよ。本来、安倍首相の刺客候補は野党陣営から出るのが道理。
「ところが、野党第一党の民主党は、岡田克也代表が網膜剥離で闘病中です。その岡田氏と代表選を争った細野豪志幹事長も迫力不足は否めません」(前出のデスク)
そんな中、"消えた年金"問題で一世を風靡した長妻昭・民主党代表代行が、一矢報いているという。
「国会での代表質問がうまい。データを駆使して、粘着質に安倍首相を追い詰めています」(同)

ただ、長妻氏は党内に基盤がないため組織だった動きが取れないというから、しょせんは"孤高の刺客"どまりかもしれない。
浅川氏が言う。
「首相が強気でいられるのは、それでもまだ50%近い支持率を得ているから。ですが、安保法制の法案を提出した際に予想される世論の反発、はたまた、党内リベラル勢力の急伸、さらには、アベノミクスでも格差が縮まらない不満……など、課題は山積しています。結果として、今後は、頼みとする政権支持率の降下は避けられない情勢です」

そのとき、満身創痍の首相が"刺客"の刃に倒れるか、またまた、これを返り討ちにするのか――安倍政権に正念場が迫っている。

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