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【岩井志麻子】「裸の仕事がバレて…」vol.1 ここから恐怖が始まった!

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岩井志麻子のあなたの知らない路地裏ホラー
「裸の仕事がバレて…」ここから恐怖が始まった!


もちろん、最初はどちらも相手に惹かれたのだ。二人の出会いは、春の半ばの頃だった。

──仮に、桜子と春樹としておく。桜子は十代の終わりから二十代の初めまで、風俗嬢をしていた。AVにも十本近く出演したことがある。スタイル抜群の美人ではなく、童顔でぽっちゃりしていて、とことん普通っぽい。

風俗店でもAVでも、その普通っぽさで人気を得た。桜子自身、高校時代にちょっと不良仲間と悪さをしたり、卒業後は裏稼業の男とも関わったことはある。しかし、どん底にまで堕ちはしなかった。それこそ、根は普通の女の子だったのだ。

●童顔ぽっちゃりで風俗でもAVでも人気に

裸の仕事はすべて辞めて心機一転、カフェの店員になってから春樹に出会った。彼はそこそこの大学を出て、堅実な会社に勤めていた。店員と客として出会い、すぐ交際に発展した。桜子は春樹に対し、どこまでも普通の女として接した。

風俗やAVをやっていた頃に覚えた過激な技など使わず、むしろ奥手で経験がない女のように彼に抱かれた。ウブな演技をしていたのではなく、彼をだまそうなんてつもりもなく、ごく普通の恋人同士として一緒にいたかったのだ。
春樹には、過去のことは隠していたのでも嘘をついていたのでもなく、ただ黙っていただけだ。しかし春樹は、たまたまネットで過去のAV作品を見つけてしまった。その日のことを桜子は、「突然、ホラー映画の登場人物になったみたいでした」と回想する。

「春樹の顔が、見る見るうちに鬼っていうか悪魔っていうか、見たことない形相に変わっていったんです。お前はプロのヤリマンだったんだな、俺は何千人もがやり捨てたお古を拾わされた、みたいな、もう聞いてられないひどいことをいわれ続けました」

しかし、桜子の本当の恐怖は、ここから始まるのだった……。


岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。

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