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2015年の今、絶対に見ておきたい大仁田厚[プチ鹿島コラム]


橋下徹大阪市長が「政界引退」を表明したとき、大仁田厚の名前を出して語る人も多かった。大仁田と言えば何度も引退しながらカムバックし、派手な話題を振りまいてきたからだ。

プロレスファンじゃない人からすれば「なんといい加減でデタラメなジャンルなんだ」と一笑に付して終わりだろう。

しかし、私がプロレスを見ておいてよかったと思うのは「あの時そう言ったじゃないか、ウソをつくな」という正論にも頷きつつ、「じゃあ、これから何ができるのか。明日から見せてくれ」という態度を学べたことだ。

正しい正しくない、白か黒かの二元論よりも、「人間なんてそんなもの」という前提に立ちながら、それでいて決してネガティブな気持ちではなく明日以降を見守る。なんならちょっとした期待を込めて。そんな向き合い方をプロレス、もしくはプロレスファンに教えてもらった。受け身の取り方が広がったように思う。

そして、あらためて最近思うのだ。大仁田は「何度も」復帰してよかったと。世間で何回も引退をしたことを引き合いに出されているのを見るたびにそう思う。

だって、今でも多くの観客を一瞬でひきつけるあの技量、引退してたらもったいない。
たとえば昨年4月、鳴り物入りの貴闘力デビュー戦を観に行ったら(「貴闘力・鈴木みのるVS大仁田厚・矢口壹琅」)、やはりというべきか最終的に全部持って行ったのは大仁田だったのである。その技術と話術に感動した。今こそ大仁田を生で観なければならないと思った。

やっていることは手数が少なく、原始的。でも、ひきつける。一体あれって何なのだろう。

最近の活動も派手だ。「超戦闘プロレスFMW」にくわえ、先週は大田区体育館で長与千種と組んで電流爆破デスマッチをおこなった。

大仁田は全国をまわっているが、考えてみれば田舎のおじちゃん・おばちゃんが「ほー、今日はプロレスが来ているのか」とふらっと立ち寄り、顔が認識できるのも大仁田ぐらいではないか。いきなり見てもわかるプロレス。かつての馬場、猪木、ブッチャー級。

2015年の今こそ気にかけてみたい原始的なレスラー。何度目かわからない「絶頂期」の大仁田を見ておきたい。



プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。





「教養としてのプロレス」(プチ鹿島/双葉社)
2014年8月7日発売 新書判304ページ





今もっとも注目すべき文系芸人・プチ鹿島氏による初の新書が双葉社より発売! 「どの週刊誌よりも売れていた」という90年代黄金期の週刊プロレスや、伝説の編集者・井上義啓氏の週刊ファイトなどの“活字プロレス”を存分に浴びた著者による、“プロレス脳”を開花させるための超実践的思想書。 「半信半疑力を鍛える」「グレーゾーンを許容する」「差別に自覚的になる」等々、著者が30年以上に及ぶプロレス観戦から学びとった人生を歩むための“教養”を、余すところなく披瀝。すべての自己啓発本やビジネス書は、本書を前に、マットに沈むこと必死!

プチ鹿島氏のコラムが読める雑誌「EX大衆」は毎月15日発売!


ブログ:http://orenobaka.com/
ツイッター:@pkashima

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