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【岩井志麻子】好色OL殺人事件vol.2 痴情のもつれか、ハイになったのか…

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岩井志麻子のあなたの知らない路地裏ホラー
好色OL殺人事件vol.2 痴情のもつれか、ハイになったのか…


夏の日の思い出、と涼風くんはいうが、考えてみればその舞台となったアジアの某国は常夏の国だ。事件があった頃は、日本では真冬だったのかもしれない。

「イチさんと並んでいる早百合ちゃんだけが、セピアというかモノクロというか、周りの毒々しい景色の中で色がなかった。それでぼくが近づいてったら、色が戻った。

……というのも、ぼくの見間違いでした。若いOLじゃなくて、昨日イチさんが引っかけたらしい派手な色黒の四十路の年増でした。早百合ちゃんとは全然似てないのに、なぜかぼくにはそう見えたんです。

でも、そんなの本人たちにはいえなくて。適当に合流して飲みました。翌日、ぼくはいったんゲストハウスを離れて、二日ほど別の町で遊んでから戻ってきました。

そしたら、顔見知りになってた日本人たちに、イチさんが捕まったと聞かされたんです。

あの頃はまだ某国はネット環境が整ってなかったし、スマホなんかなかった。僕は日本人のいないビーチで遊んでて、テレビも見てなかった。だから、知らなかったんですが……。
イチさん、早百合ちゃんを殺したんですよ。別の男とどっか行って帰ってきて、でもまたイチさんの部屋に泊まった。セックス求めたら断られてケンカになって、という説と、やりながらさらに気分高めようと変なクスリ使って、それでイチさん錯乱してハメたまま首絞めちゃった説と、二通りあるみたいですね。いずれにしても、絞め殺した。

ぼくがバーでイチさんと早百合ちゃんらしき女性を見たときは、まだ殺人事件は起こってなかった。そのとき本物の早百合ちゃんは、別の男と別の場所にいた。

でも、すでにあのときすでに、イチさんは人殺しを決意していたんです。何食わぬ顔で別の女と一緒にいたけど、内心では早百合ちゃんへの殺意でいっぱいで、もう殺したも同然だった」


岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。

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