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6月13日 三沢光晴さん七回忌に思う。[プチ鹿島コラム]


三沢光晴さんの七回忌。
この原稿が配信される6月13日(命日)、日テレジータス(G+)は朝から11時間の特別番組を放送する。

ノアの「三沢光晴メモリアルナイト2015」も生中継(午後3時30分から4時間)。三沢さんが最後に戦った広島グリーンアリーナでの大会だ。11時間、録画して全部観ようと思う。

あらためて考える。プロレスラーとはどういう人たちだろう。

コップ一杯の水を持って運ぶとしたら、たいていの人は七分目ぐらいに水を入れてゆっくり運ぶ。しかしプロレスラーとは、水をタプタプに満杯に入れたコップを全力で運ぼうとする人種ではないだろうか。「こぼすぞ、こぼすぞ」と言われても、前に進んでしまう。

これは美化ではなく、呆然とした気持ちも混じって言っている。

三沢さんが亡くなったときも、リング上の激しいファイトも当然ながらリング以外でも団体の長としていかに多忙だったか伝えられた。でもリングに上がる。

呆然とするしかない。
三沢さんが亡くなったあのとき、「有名人の死」についても考えさせられた。

当時mixiが流行っていたが、忌野清志郎さんが亡くなったとき、熱烈ファンの友人はmixiで「沈黙」した。清志郎が亡くなる前年の武道館復活ライブ時は、喜びがあふれて文字が弾けていたのだけれど、訃報のあとはしばらく日記の更新がなかった。
そうだろうなぁと思った。それだけ思い入れがあるなら、亡くなった瞬間から語れないだろうと思った。それが見続けてきた人だろうと。

そしたら翌年に三沢光晴が亡くなってしまった。私は「三沢の死」のニュースを知った人たちが「ご冥福をお祈りします」と、速報のひとつで消費してしまうことに抵抗があった。

しかし数週間後。
マイケル・ジャクソン死去の一報をたまたまリアルタイムで聞いたのだ。そのとき「みんなに教えたら驚くだろうなぁ」とソワソワしてる自分にも気づき、あっと思った。

三沢の死をいち早く語ろうとしていた人たちと同じではないか。有名人の死を速報として消化してるだけじゃないか。
このとき以来、有名人が亡くなってからの「ご冥福をお祈りします」の大量発生にはザワザワした。自戒を込めて。

でも有名人というのは自らの死さえ世間の人々の会話のきっかけとして提供する、それが宿命とも一方で思う。
三沢さんにはいろいろ教えてもらいました。



プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。





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2014年8月7日発売 新書判304ページ





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