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東京五輪大ピンチ! 新国立競技場は「ドロドロ利権まみれ」だった!

[週刊大衆07月06日号]

東京五輪大ピンチ! 新国立競技場は「ドロドロ利権まみれ」だった!

巨大国家プロジェクトには“莫大”な金が絡んでいる。知事と大臣のケンカなど、前座試合に過ぎなかった!

2020年・東京五輪の開催が、危機的状況にある――。
「メイン会場となる新国立競技場の建設計画が大きく迷走し、さまざまなところに飛び火したあげく、東京都と文部科学省による泥沼のバトルまで巻き起こっているんです」(全国紙社会部記者)

もともとは、総工費1300億円で提案された新国立競技場の建設計画。屋根も観覧席も可動式で、世界に日本の最新技術を見せつけるはずが、実際に見積もってみると実現は困難を極める。工期が大幅に遅れそうなだけでなく、総工費が3000億円まで膨れ上がりそうな気配だというのだ。
「去る5月18日、その計画の見直しのため、下村博文文部科学大臣が舛添要一東京都知事と会談したところ、事態は収拾どころか、激しい罵り合いに発展してしまいました」(同記者)

その際、下村氏が持ちだした計画変更点は次の2つ。
まず競技場上部の、可動式屋根の設置を、五輪後に先送りすること。次いで、1万5000席分の可動式観戦席を、取り外し可能な仮設に改めるということ。

そもそも競技場に屋根は不要だが、将来的にコンサート会場などに転用するため、騒音対策として設置を検討していたものだ。屋根なしでは、「世界に誇る次世代型スタジアム」が、なんの変哲もない競技場になってしまうわけだが、それがなぜ"泥仕合"を引き起こしてしまったのか。

都庁関係者がこう明かす。
「まず下村大臣は、舛添都知事との会談の際、"東京都が整備費(建設費)の一部を負担することになっている"と発言し、500億円という数字が念頭にあることをほのめかしたんです」

早い話が、「いろいろやり繰りしたけど足りないから、500億円ほど出してくれ」と持ちかけたのだ。が、それを聞いた舛添氏は猛反発。「現在の法制度では、都が負担する根拠がない」と一蹴した。
「思わぬ反撃に下村氏は、逆に"東京都へ強制的に費用を負担させるための法律案を作ろうか"と啖呵(たんか)を切ったんです」(同関係者)

これが舛添氏の怒りに油を注いだのは言うまでもない。政治学者として憲法95条を引き合いに出し、
「東京都の住民投票を行って過半数を得ることができなければ、法律制定できない。そういう規定を分かって発言しているのか」
という主旨の文を自身のブログに書き込んだ。

ちょうど安倍政権が進める安保法制が「違憲」とされているご時世。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、"元内閣総理大臣"の肩書を持って仲裁を試みるも空しく、お互い、ますます態度を硬化させている。

本来ならタッグを組むはずの両者に、このような相譲らぬバトルが勃発した裏事情について、永田町関係者が、こっそり打ち明ける。
「競技場の施工を受け持ったゼネコンが、"このままでは実現はとても無理だ"と、文科省を素っ飛ばして官邸に泣きついたんです。安倍晋三首相に"どうなってんだ"と説明を求められた下村大臣が、事務次官に同じことを聞くと、"500億円は都に支払わせることになっています"という答えが返ってきた。そこで、"じゃ、都に支払わせればいいんじゃん"となったようです」

実は、石原慎太郎元都知事の時代に、東京五輪組織委員会の森喜朗会長と「500億円拠出」の"密約"が交わされていたのだという。
「この密約について舛添都知事は、ネットマガジンの連載記事で、"森氏と当時の石原知事との間で都が経費の三分の一に当たる500億円を支払うことを決めた"と明かしています。その密約は、石原元都知事の後任の猪瀬直樹前知事にも引き継がれていたというんです」(同関係者)

しかし、猪瀬氏は13年に公職選挙法違反問題で知事を退任。石原都政とは関係なく、しがらみのない舛添氏が都知事選に勝利した。
「知事は、"森会長と元知事らが決めたのだから、現知事もそれに従うべきだ"という下村大臣の態度に不快感を示しているんです。確かに、500億円もの支出を伴う決定は、都議会の承認が必要です。密室で決めていい話ではありません」(前出の都庁関係者)

かように新国立競技場建設を巡るゴタゴタからその背景を探ると、計画のズサンさとともに、奇妙な"闇"が浮かび上がってくる。
政治評論家の鈴木哲夫氏が、こう語る。
「五輪招致はもともと、森元首相が、代々木や神宮外苑にある老朽化したスポーツ施設――たとえば、国立競技場、代々木体育館、岸記念体育会館など――を新しくしようとしたことからスタートしています。一方、石原都知事(当時)も、横田基地の騒音問題に進展がないことなど、政策面の行き詰まった空気を解消するため、森氏の話に乗ったという面があります」

政治評論家の本澤二郎氏も憤りを隠さずに、こう内情を解説する。
「国が関与するプロジェクトは、血税をふんだんに使えるという巨大利権の構造が生まれやすいものです。東京五輪は、安倍首相の後見人である森元首相が進める一世一代の大利権。身内で、利権構造はガチガチに押さえられています」

つまり、計画の当初から利権が生まれる構図があったと言うのだ。
「そもそも東京五輪は、安倍首相がIOC(国際オリンピック委員会)の演説で"フクシマは完全にコントロールされている"と、いわば嘘をついて始まったもの。以降、競技場のデザインやコンペなどでも、不透明な点が多い」(本澤氏)

一連の新国立競技場問題について、厳しい批判を発信し続けている建築家の森山高至氏が説明する。
「デザイン募集要項の発表から、応募登録・受付までわずか2か月。そのまた2か月後には最終決定という、異様なハイスピードでコンペは行われました。しかも、コンペの応募条件をクリアできる現役の建築家は、世界でも十数人しかいませんでした」
コンペにはさらなる疑惑が!

これでは、最初から結論ありきといわれても仕方がない。そのコンペで最終案に選ばれたのは、イラク系英国人の女性建築家、ザハ・ハディド氏のデザインだった。
「ザハ氏は、良く言うと前衛的、悪く言えば荒唐無稽で知られる建築家。その分、実現率は"3割打者"というところでしょうか。野球選手なら優秀ですが、普通の設計家なら、8~9割が当たり前」(森山氏)

ザハ案の一番の特徴は、天井に設置された2本の"キールアーチ"と呼ばれる骨組みだが、
「これは隅田川にかかる永代橋の2倍の長さがあるのに、支えがまったくない構造になっています。実現するにはガッチリした基礎工事が必要なんですが、建設予定地の地盤は柔らかく、しかも、地下には都営大江戸線が走っています。巨大なパーツを運び込むのにも手間がかかり、費用が膨れ上がるのも無理はありません。しかも、このアーチは競技にはなんの役にもたたない、ただの飾りなんです」(森山氏)

国立競技場を管理運営するJSC(日本スポーツ振興センター)も批判がこたえたのか、昨年5月には規模を縮小して総工費を3000億円から1625億円まで圧縮すると発表したが、
「批判を避けるために出した数字にすぎません。一説によると、消費税を5%で計算しているとか、資材費や人件費の高騰分を含めていないといわれています。ゼネコン側も当然、そんな費用で建設できないから、官邸に泣きついたわけです。このままでは、どんなに見直ししても、実際の総工費は2500億円程度に膨れ上がるでしょう」(前出の永田町関係者)

こうなると、やはり国としても東京都の負担を求めざるをえない。舛添知事は正確な総工費の金額を文科省に求めているが、本誌が文科省に問い合わせると、
「できるだけ早くお伝えするため、調整中です」(スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課施設係)
と、いまだに、そのメドすら立っていない状況だ。
これだけでも驚きだが、コンペを実施したJSCとザハ氏との契約内容は、デザインの"監修"。つまり、彼女は13億円のギャラを得るものの、そのデザインを具体化するための設計は、別な誰かがやらねばならないのだ。

さらに本誌は、そのコンペがあぶりだした、ある疑惑を突き止めた。
「新競技場の建設予定地である神宮外苑周辺は、風致地区(自然美を維持・保存すべき地区)に指定され、建物の高さが15メートルと規制されていました。ところがコンペの募集要項は、なぜか"70メートル超の建築物"となっていたんです。
結果、ザハ案が採用され、"こんなに素晴らしい作品をコンペで選んだんだから、規制のほうを変えるしかない"と言わんばかりに、高さ制限は解除されてしまいました」(前出の森山氏)
すでに覚書が交わされている

神宮地区といえば、都内でも屈指の人気タウン。ここに70メートル級の高層ビルや高級マンションが建てば、一部の土地デベロッパーが巨額の金を手に入れることになるのは想像に難くない。
「実際に、新しいスタジアムを建設したのち、周辺の神宮外苑地区を再開発する計画が浮上しています」(国土交通省関係者)

すでに新競技場を管理運営することになるJSCや、総合商社などによる覚書が交わされているというのだ。
「当然、土地デベロッパーたちが、この件に関して森会長に相談していないわけがない」(同関係者)

かくのごとく、ドロドロ利権が暗い影を落とす東京五輪。問題は山積だが、まずは大幅な設計変更で予算を切り詰めるしかなさそうだ。具体的な策を、森山氏が提案してくれた。
「取り壊された旧国立競技場は、機能美を追求したシンプルな建物でした。建設された50年前と比べ、現在、さまざまな面で建築技術は進歩しています。新素材を使い、最新技術を使って復元工事するのもいいですね。設計図が残っていますから、コストもかなり削減できるはずです」

山積する問題――このままじゃ東京五輪が危うい!

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