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[プチ鹿島コラム]ダスティ・ローデスはなぜ「アメリカで最もTシャツが似合う男」だったのか?


子どもの頃、ダスティ・ローデスの名前を先に覚えたばっかりに、ダスティン・ホフマンのことをずっと「ダスティ」ホフマンと言い続けていた。

プロレスファンにとっては映画スターよりもアメリカンドリームだった男・ダスティ・ローデス。
先週「有名人の死」について書いたばかりですが、そのあとすぐローデスさんの訃報が飛び込んできた。69歳。

私がダスティ・ローデスについて今でも覚えている文章は、中学生の時に読んだ「週刊ゴング」だ。
ローデスを評して「アメリカで最もTシャツが似合う男」と書かれていた。

えっ?
正直、そんなに男前にみえない。おまけに既にけっこう太っていた。スタイリッシュに見えなかった。なんでそのローデスが?

「ローデスは決してスマートで美しい肉体を持っているわけではない。そのTシャツ姿がなぜ大人気なのか?」とゴングは書く。
そう、そこ。日本の中学生にとっていちばん不思議なポイントだ。

すると、「腹の出た体型のローデスこそ、中年アメリカ男の象徴的な存在。Tシャツはアメリカンファッションの代表。太っている男にこそTシャツは似合うようにできている」とあった。

そうか、ローデスはあの体型もふくめて「アメリカンドリーム」なのかと気づかされた。
しかも「配管工の息子から成り上がった」というなら、やっぱりTシャツがよく似合うはずだ。
ローデスに関しては「悪役レスラーのやさしい素顔」(ミスター高橋・双葉社)に書かれているエピソードも興味深い。

新日本プロレス初参戦の1979年。控室でローデスは著者にこう言ったという。
「俺のプロレスは完全なアメリカンスタイルだ。でも、ここでは、新日本がスローガンにしているストロングスタイルとかいうやつに合わせたほうがいいのか?イノキに聞いてきてくれ」

この質問を伝え聞いた猪木は「いや、いいんだ。アメリカでやっているようなスタイルで自由にやってくれ」と特にかまえた様子もなく答えたという。

ローデスは新日本の観客にも最初から大人気だった。
「これ以降、新日本プロレスの闘いは徐々にアメリカンプロレスのスタイルに移行していった」と著者・高橋は見立てる。

きっちりと日本にも影響を与えたアメリカンドリーム・ダスティ・ローデス。
あの尻振りダンス、よかったなぁ。大げさでなく「アメリカのエンタメ」の匂いがした。
お疲れさまでした。



プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。





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