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【岩井志麻子】好色OL殺人事件vol.4 冷たい肌の女性が横に寝ていて…

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岩井志麻子のあなたの知らない路地裏ホラー
好色OL殺人事件vol.4 冷たい肌の女性が横に寝ていて…


友達の涼風くんに勧められ、アジアの某国に行った青田さんは、日本人同士の殺人事件があった部屋に泊まった。日本も夏、現地は常に夏。息苦しい日だったという。

「ふと夜中に目が覚めたら、隣に誰かが寝ているのに気づいたんです。実は前日、ゴーゴーバーの女の子を引っ張り込んでました。

ともあれ現地の女は帰って行ったと思ったけど、帰らず泊まる気になったのかな、なんて寝ぼけながらも、もう一発やりたいと手を伸ばしたら……。

ぞっとするほど、冷たい肌に触れた。若い女性の肌だというのはわかるんだけど、生きた人間のではない、というのもはっきりわかりました。そのとき、猛烈にうろたえた。

まさかぼくが殺したのか、と。いや、彼女はクスリで死んだんだ、ぼくが絞めたんじゃない、なんて混乱しながらも妙な意識にとらわれた。
混濁した意識の中、このヤリマンが悪いと憎しみで一杯になっていた。同時に、死体でもいいからもう一度やりたい、と変な疼きもあった。ぼくは薬物なんかやったことないし、ヤリマンとつき合ったこともない。死体とやりたいなんて冗談じゃない。なのに、強くそんな考えに支配された。思えば隣にいたのは早百合ちゃんの死体で、そのときの考えはイチさんのものだったんじゃないかと思います。

すぐ女の気配は消え、ぼくは部屋を飛び出してバーに行きました。幽霊が出たーっ、と騒いだけど、みんな別の話題で持ち切りでした。氷室先生が捕まったっていうんです。

なんでも、氷室先生は筋金入りのロリコンで、現地の子どもを買いまくってたらしい。安いゲストハウスにいたのは、女の子を買う金を節約するためだったんですよ。まさか先生の中では、それらの行為はボランティア活動だったのか……。

ぼくにとっては日本人同士の殺人やその幽霊より、氷室先生が一番の恐怖ですね」

※この物語はフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません。

岩井志麻子(いわい しまこ) プロフィール
1964年12月5日生まれ
A型
高校在学中の1982年、第3回小説ジュニア短編小説新人賞に佳作入選。少女小説家を経て、1999年『ぼっけえ、きょうてえ』が選考委員の絶賛を受けて、日本ホラー小説大賞 を受賞。 半生を赤裸々に語るトークや「エロくて変なオバチャン」を自称する強烈なキャラクターが注目を集める。

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