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“最高ですかー?”福永法源が警鐘!! 「老後マネー」最高な防衛術

[週刊大衆07月13日号]

“最高ですかー?”福永法源が警鐘!! 「老後マネー」最高な防衛術

信者から合計870億円もの金を集め世間の注目を浴びたのちに姿を消した男。長い沈黙の時を経て口を開いた!

「刑務所での配属が衛生係だったんです。皆のお世話、洗濯物や食事、それからトイレの掃除ね。もう、素手でやるんです、便器の中を。嫌だったんですけども、やってみるとね、最高。最高ですよ。やってると、最高が出るんです。最低が最高なんですよね」

15年の獄中生活を経ても口にする「最高」は変わらない。宗教法人『法の華三法行』の元代表で、現在、70歳になる福永法源氏は本誌の取材に、ゆっくりと口を開いた。
バブル期、街頭で信者たちが「最高ですかー?」と呼びかけ、「最高です!」と応じる光景を、ご記憶の方も多いだろう。

1980年に初めて天の声=「天声」を聞いた福永氏は、人類救済を謳う『法の華三法行』を創立し、7年後、宗教法人認可を受ける(現在は清算)。
91年に「足裏診断」を始めて一挙に知名度を獲得するが、96年頃から詐欺被害を訴える声が急増。99年12月には教団施設が詐欺容疑で強制捜査され、翌2000年5月、福永氏は逮捕された。

公称信者数は約3万名。集めた総額は約870億円と報じられた。
「私も正直に言うとね、逮捕されるって、かけらも想像しなかった。捕まるときに弁護士が言ったのが、"1週間で帰れるから""万が一の場合には保釈で出るから""もし事件になったら、執行猶予だから"と、この3つを言われたんですね。それで行ったんですよね。5月の9日だったですかね、ちょうど16年前。そうしたら、そのまま15年、塀の中ですよ」

05年7月、「宗教活動に名を借り、組織ぐるみで詐欺を働いた」として懲役12年の一審判決。福永氏は控訴、上告して争ったものの、08年8月に判決が確定。拘置所での勾留期間も合わせ、15年を塀の中で過ごして昨年、出所した。

「入った当初は"最高ですかー?"って、もう、どんな囚人の方にも言われましたよ。"最高です"って答えると、刑務官に"コラッ"って言われるから、返事できませんでしたけど。"神様"ってあだ名で呼ばれてましたね。最初、捕まった理由がわからないでしょ? 騙す気持ちなんて毛頭ない。お布施は自分の気持ちで、強制されてやるもんじゃない。それなのに、"騙された"と言われること自体が理解できないのが、正直な気持ちですよ。"ホントにあなた、被害を受けたと思ってますか?"って聞いてみたい面もあったんですよ。天声どおりにやっていたのにどうして、っていうね。天がなぜ救ってくれないのか、とかね。自分でやったわけじゃないですから。天声どおりですから」

しかし、獄中で気持ちに変化が訪れる。
「でも、逆境の一番底辺に置かれて、そこで喜べる自分に気づいたんです。だから、全部が"ありがとう"なんですよ。12年という刑をつけた裁判長に対してもありがとう。そうなっちゃう。これは開き直りじゃないんですよ。刑務所の中で三法行やってましたから。法唱、法筆、法座。そして、今、このままで最高なんだと。声出したら怒られますから、布団に潜って"最高ですかー?"ってやってました。判決もらった直後からでしょうか、布団の中で毎晩"最高ですかー?"。ずっとやってました。だから出られたんだと思います」

昨年3月に仮出所。そして、1年を経た今年の4月5日の自身の誕生日には、古参信者約600名を集めて「復活祭」を開催。以降、"人類救済"のための活動を再開している。

「中に入ると、なかなか甘いものが食えないんですよ。出ると、まず食いたい。食いたくて食いたくて、どうしようもない。どんな辛党でも、まず羊羹(ようかん)食いたい。だから、出所の日も買っておいてくれました。羊羹も大福も。刑務所のあった栃木から東京に着く車の中で、もう子どもですよ。両手に大福持ってね、かぶりながら。片方がなくなったら次を取り出して。手の中に残ってるのを食べればいいのに、次のを持たなきゃ気が済まない。女房が来て、終始、見てましたけれどもね。あの満腹感は忘れませんね。そういう状況ですよ」

15年ぶりのシャバは福永氏の目に、どう映ったのだろうか。
「一番ビックリしたのは、皆が携帯電話を持っていて、道を歩きながら話している姿ですね。テレビのニュースでは見てましたけど、現実に見た凄さっていうのは強烈だったですね」

その携帯電話を必要不可欠なツールとして活用するのが、現在、隆盛を極めている「特殊詐欺」だ。不特定多数者に対し、携帯電話に加え、メール、ファックスなどで対面することなく行う詐欺を指す。

04年頃から深刻化し、同年の認知被害総額は約283億円。重点捜査の結果、09年には約96億円まで減ったが、その後、再び増加に転じ、昨年は約560億円と過去最悪に。息子などになりすまして金銭要求する「オレオレ詐欺」、覚えのない番組などの使用代を請求する「架空請求詐欺」「融資保証金詐欺」など、8種類に大別されるが、当局が重点的に取り締まっているのがオレオレ詐欺、還付金詐欺、そして、「金融商品等取引名目詐欺」だ。

「金融商品等取引名目詐欺といえば、以前は架空の水源地購入、太陽光パネル事業やiPS細胞研究投資などが主流でした。最近は東京五輪開催に伴う不動産や未公開株への投資、入場券の贈呈をエサにしたものが目立ちます。取締りが強化され、銀行への振込ではなく、現金を私書箱に郵送させる方法に変わり、ターゲットも東京や大阪の都市部から全国に拡がっていますね」(全国紙社会部記者)

恐るべきことに、この特殊詐欺は被害者の約8割が65歳以上の高齢者となっている。虎の子である老後マネーが、詐欺師たちの標的にされているのだ。
この事態を、かつて検察に「希代の詐欺師」と断じられた福永氏は、どう捉えているのだろうか。
「お金がない人は計算しすぎ」

「こちらが捕まってから、詐欺、詐欺、詐欺ばっかりでしょ。ニュースがね。世の中、お金一色ですから、お金になることなら何でもやっちゃう。でね、私の例で言いますと、天声を聞く身として申し上げると、やっぱり、それを正すには"頭を取りなさい"。それしかない。騙そうとか儲けようというのは、全部首から上の計算ですから。だから、儲けようと思うと、お金が身につかない。お金持ちはお金が寄ってきた結果で、その人の器。大きさですよね。お金がないという人は、計算のしすぎという解釈なんですよ。損得計算のしすぎ。あー、得したな、儲かったなって。騙した場合は、罪ですよね。罪悪感持ってますから。罪悪感がある以上、必ず人生上で罰せられる。必ずしっぺ返しを食らう。騙すのは勝った、儲かったように見えますが、必ず吐き出すときが来る。そのとき、吐き出すのは2倍3倍なんですよ。100万儲かったっていうと、300万、500万、必ず出すときがくる。これが法則ですよね」

実は福永氏自身も、詐欺の被害者だった。
自らが立ち上げた弱電関係のメーカーを経営していたときのことだ。自社ビルを建て、経営も順調だったが、大きな落とし穴が口を開いていた。

「まさに詐欺師ですよね。不渡り手形1枚持ってきて、うちの工場の商品を全部持ってったんですから。それがですね、ちょうど手形の金額と倉庫にあった商品の値段が一緒なんですよ。3日後に銀行から緊急電話が来て、"社長、3日前の手形、不渡りですよ"って言われたときに、"エッ"て我に返りましたね。なんの疑いもなかった。天狗だったんでしょうね。あのとき34歳ですから。うまくいってるいってる、よしよし。自社ビルもできたしね。でも、1億ちょっとでしょうか。引っかかって全部終わって。それまでは従業員も取引先も社長、社長、だったのが、倒産した、不渡りが出たとたん、金返せ! 給料出せ! でしょ。180度違う。34歳が一人、こちら側に座って、反対側に取引先も社員もバーッと並んで、それでもう圧倒されたというか、"給料出せよー!"って、それまで聞いたこともない言葉で言われて。もう最後は自殺しかないですよね。自殺なんて想定したこともないですけど、生きる資格はないなと思って。でも、それでもって、天の声を聞いたんです」

『法の華三法行』の原点が、詐欺被害で追い詰められたことだったとは意外だが、現在でも、詐欺のネタは枚挙にいとまがない。
1つは、高齢者には関心が高い老人ホームをエサにしたものだ。
「入居枠が当たったと電話がかかってくる。申し込みをしていない、と言うと、"では名義を貸してくれ"とか、"申し込みを知らないのは名義貸しの証拠"などと"名義貸しは犯罪だ"と脅し、解決金名目で金を奪う。被害者は判明しただけで全国で100人近く、被害額は6億円以上とみられています」(警視庁詰め記者)

20年開催の東京五輪も詐欺のネタになる。
「まず『東京五輪開会式特別予約販売』で1席10万円で売る、というパンフを郵送し、その後"1席40万円で買いたいが持ってないか"と電話する。10万で買って40万で売れば30万儲かる、と10万円を振り込んでも、現物が届くことはない、という寸法だ」(事情通)

五輪のチケット販売は19年2月頃の予定で、チケットが出回っているなどというのは真っ赤な嘘。欲が人の目を曇らせるのだ。
「はっきり言って、暗黒です」

「あんまりね、お金、お金と先行しちゃうと、これは身を滅ぼすというか、人類を滅ぼすというか……。今、噴火が多いじゃないですか、日本列島。もう、あれでもよくわかるんですけども、天が揺さぶってるぞということですよ。気づけ、気づけよ、ということですよね」

そして、現代ニッポンに対し、福永氏は次のように警鐘を鳴らす。
「世の中は、はっきり言って、暗黒ですよね。このまま行ったら、本当に詰まっちゃいます。本当に喜んでる方っているのかな、って思うんですよね。いいことがあったときは喜びます。だけど、寝ても覚めても、喜んでる方っているのかな、と思う。喜べないと人生終わっちゃいけない、というのが基本なんです。今、現実、街を歩いとっても何しても、仕事柄、つい人の表情を見るでしょ? 女性の方でもいろんなお化粧されて綺麗なんですが、この人は内面的に、このまま行って人生終わりが来たら大変だろうな、というものがある。多いです。満足してないんですよ。いいんですよ、何がなくても。生活がひもじくても、その境遇で喜べる、これが天下ですよね。こういう人が増えれば、噴火も減るでしょうし、天災人災も減るでしょうし、詐欺に遭う人もなくなるでしょう。みんな、満足してないから引き寄せるんですよね、事件を。金が入れば、名誉が手に入れば喜ぶでしょうけど、何も現象が起きなくて喜べるのは、これは頭がついてるとできない。だから"頭取れ"と。この20年間、天声では頭取れ、頭取れ、そればっかりです。で、満足して喜んでれば最高。"最高"と"頭取れ"しかない、この20年間です」

この先、福永氏はどこに向かうのだろうか。
「いやぁ、もう……この15年間を挽回させてもらいたいですよね。これからが本番なんですよ。うん。これからが本番なんですよ」

70歳にして意気軒高。同じ過ちを繰り返すことだけは、避けなくてはならない。

“最高ですかー?”福永法源が警鐘!! 「老後マネー」最高な防衛術

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