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[プチ鹿島]世界最大のプロレス団体「WWE」の日本公演が両国で開催中


7月3日(金)の公演が終わり、本日が最終公演。

ここまで読んで、あまりプロレスに詳しくない方のなかには「公演」という表現に違和感を持つ方もいるだろう。でも、WWEは正真正銘のエンタメなのです。

日本ではエンタメを「娯楽」と呼んできた慣習のせいで、エンタメという言葉にはなんだか緊張感のないイメージがあった。でも人前に立つからこそ演者側は真剣だし、過酷な生存競争がある。そんな当たり前のことをWWEは教えてくれた。
この巨大団体に抜擢されたらどうやって自分を輝かせていくか。人生ドキュメントでもある。

たとえば90年代末からWWEで一世を風靡したストーンコールド・スティーブオースチン。実は、日本のファンはあの「スキンヘッドで荒くれ者」としてブレイクする前に、オースチンを新日本プロレスで目撃している。
1992年の横浜アリーナ大会で蝶野正洋とNWA世界戦を戦っているのだ。オースチンはフサフサの金髪で、振る舞いもとにかく上品だった。

私はあの日、学生なのに奮発して特別リングサイドで観戦していたのだけど、両者どちらも巧くて渋い試合だったことはなんとなく覚えている。だけどそれ以上の印象はあまり無かった。横浜アリーナの観客全体もそんな感じだった。今見たら技術の攻防も味わいがあるのだろうけども、あれで客をガンガン呼べるかと言われたらちょっと難しい。

もちろんあの時点でビッグマッチに出ていたのだから、オースチンは成功者だったのだろう。しかし大成功するためにはさらにもう一段上の変身が必要と考えたのだ。オースチンも、そして、蝶野も。両者はこの数年後に大変身し、成功した。

私は今でもあの「オースチン対蝶野」を考えると、プロレスというジャンルの面白さにしみじみしてしまう。

技術は持っている、じゃあそこからどうするのか。何を売りにするのか。どこまで届かせたいのか。WWEは意識と技術の高いレスラーが世界中から集ってくる。

日本からはノアのKENTAが「ヒデオ・イタミ」として只今WWEで活躍中。このまま世界のスーパースターになったらすごいな。

エンタメの過酷さとご機嫌さを、WWEはいつも教えてくれます。


プチ鹿島
PROFILE
1970年5月23日生まれ。お笑い芸人。オフィス北野所属。時事ネタを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。ラジオ番組「東京ポッド許可局」(TBSラジオ)、「荒川強啓のデイキャッチ」(TBSラジオ)、「キックス」(YBS山梨放送)ほか、TVや映画など多方面で活躍中。





「教養としてのプロレス」(プチ鹿島/双葉社)
2014年8月7日発売 新書判304ページ





今もっとも注目すべき文系芸人・プチ鹿島氏による初の新書が双葉社より発売! 「どの週刊誌よりも売れていた」という90年代黄金期の週刊プロレスや、伝説の編集者・井上義啓氏の週刊ファイトなどの“活字プロレス”を存分に浴びた著者による、“プロレス脳”を開花させるための超実践的思想書。 「半信半疑力を鍛える」「グレーゾーンを許容する」「差別に自覚的になる」等々、著者が30年以上に及ぶプロレス観戦から学びとった人生を歩むための“教養”を、余すところなく披瀝。すべての自己啓発本やビジネス書は、本書を前に、マットに沈むこと必死!

プチ鹿島氏のコラムが読める雑誌「EX大衆」は毎月15日発売!


ブログ:http://orenobaka.com/
ツイッター:@pkashima

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