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競馬で1億5000万円! あの「ハズレ馬券裁判男」が初めて口を開いた!

[週刊大衆07月27日号]

競馬で1億5000万円! あの「ハズレ馬券裁判男」が初めて口を開いた!

ギャンブルでの負け分は、税金控除の対象となるか!? 前代未聞の訴訟に発展した渦中の人物に話を聞いた!

読者諸兄は"馬券裁判"を覚えているだろうか。
2012年、大阪府在住の男性(=卍氏)が、馬券で得た所得を申告せず、単純無申告の罪で、刑事裁判にかけられたのだ。

この訴訟の行方は、全国紙をはじめ、各マスコミが大々的に報じ、大きな注目を集めた。それもそのはず、その金額があまりにも大きかったからだ。
卍氏は、07年から09年のわずか3年の間に、28億7000万円の馬券を購入し、30億1000万円の配当を得ており、約1億5000万円もの利益をあげていた。
しかし、大阪国税局が求める、利益に対する課税額は5億7000万円と、利益を上回るものだった。
というのも、課税対象が、配当である30億1000万円の総額で、当たった馬券の購入額しか経費として控除されなかったためだ。

卍氏は、「的中した馬券馬券の代金も必要経費になる」と主張し、最高裁まで争われることとなった。
これがいわゆる"馬券裁判"と呼ばれるもので、最高裁まで争われた結果、今年3月に「外れ馬券は経費」と卍氏側の主張が全面的に認められることとなった。

前代未聞の裁判となったが、その行方よりも注目を集めたのは、1億5000万円を稼ぎだしたのが、ごく普通の会社員だったということだろう。

いったい、どんな手法で莫大な金額を稼いだのか、また、卍氏とはいかなる人物なのか。
本誌は、7月下旬に著作『馬券裁判-競馬で1億5000万円儲けた予想法の真実-』(メタモル出版)を出版することとなった卍氏への直撃取材を敢行した――。
「巨額の課税処分がなされてから約5年(編注・10年に大阪国税局が卍氏のもとを訪れた)、とても長かったです。5億7000万円の課税額に、地方税なども加わるため、最終的に納めなければならない金額は、追徴金を含めると、およそ10億円にもなっていました」(卍氏=以下同)

10億円という税額は、見直しが確定するまでは、納税の義務が生じるため、卍氏は手元に残っていた金融資産のうち、裁判の費用を除いた残りの6000万円弱を納め、毎月の収入から生活費を除いた残りを納税に充てていたという。
「競馬で儲けた金額の半分は、将来、税務署に指摘され、税金を納めることになった場合に備え、手をつけていませんでした。しかし、残りの大部分は投資信託で運用しており、先のリーマンショックで、そのほとんどを失ってしまっていました」
最高で約3000万円の配当

裁判で世間の注目を集めたことで、勤めていた会社も辞めることになった。
「さらに、当時、生まれて間もない子どももいて、一生かかっても払いきれない10億円という税額に、妻の精神状態も不安定になってしまいました」

だが、前述のように今年3月、「外れ馬券は経費」と最高裁に認められ、税額は大幅に減額された。
「これからも延滞税などの不足分を納めなければなりませんが、10億円納付するのとは、状況も心境も違います。ようやく、人生を前向きに歩いていけると、妻とも将来のことを話し合うことができました。裁判中は、全国の競馬ファンの方々から応援のメールなどが寄せられて、励みになりました」

まさに激動の5年を過ごしてきた卍氏。ただ、やはり気になるのは、いかにして、競馬で1億5000万円もの利益を稼いだのかということだろう。
「私は、勝ち馬を予想しないんです。競馬を始めた頃は、競走馬の能力を数値化したコンピ指数や、レースの走破タイムを数値化したスピード指数などを使って買い目を出していたんですが、あるとき、競馬は強い馬が必ず勝つとは限らないということに気がついたんです」

勝ち馬を予想するのが競馬の基本のはずだが、いったい、いかなる基準で馬券を買っていたのか。
「過小評価されている馬を買うことに目覚めました。つまり、実力があるのに、それに見合うだけの人気となっていない馬を選ぶ。過去に、同じレースに出走していた馬が2頭いた場合、着順が良かった馬が、悪かった馬に比べて人気になりすぎているのではないかと考えたんです」

たしかに、そんな馬を判別できれば、馬券的妙味は大きそうだ。
「そこで、前走の着順や着差などの情報に基づいて、各馬に点数をつけるようにしました。たとえば、近走で勝ち馬と0.5秒差以内ならプラス1点、0.2秒差なら、さらにプラス1点といった具合に計算していき、合計点数が高い馬の馬券を買っていったんです」

ただ、それだけの情報を分析するとなると、膨大な時間が必要となることは想像に難くない。実際、卍氏は過去の競馬新聞など膨大な量のデータを集め、一日中、図書館にこもって研究に励んでいたという。
「それでも、馬券収支はややプラス程度でした。その後、有料予想サイトを使いましたが、収支がマイナスになるにつれて、競馬から遠ざかるようになっていました。ところが、『馬王』という競馬ソフトと出会ったことが状況を一変させました。このソフトを使えば、それまで行っていた各馬に点数をつけて買い目を決定するのを、予めルールとして設定しておきさえすればソフトが自動的にやってくれるのです」

卍氏は、これを機に、競馬資金として100万円を用意し、これがなくなったら、馬券購入をやめるというルールを決めて、競馬ソフトを使った馬券の購入が始まった。

その卍氏の05年(裁判で争われた期間は07年からの3年だが、卍氏は競馬ソフトで購入した馬券の記録をすべて残している)からの馬券での収支は、浮き沈みはあるが、右肩上がりの線を描いている。
「06年に残高の92%、07年に69%、08年には92%を失うスランプの時期がありました。特に、一番負けたレースは、同じ年の6月29日の阪神11レースで、635万4000円の馬券を購入し、払戻金が0円のときもありました」

ただ、長期的に見るとプラスになっていったという。
「収支がプラスにならなければ、予想ファクターを適宜、修正していきました。過去に一番勝ったレースでは、08年8月3日の新潟9レースで、295万円1400円分の馬券を購入して、2839万7770円の払戻金を手にしました」

なんと、1レースで約2500万円もの利益を手にしたというのだから、驚くほかない。
しかも、このような高額配当は、なにも1回、2回だけではないのだ。
卍氏が伝授する買い方のコツ

他にも、08年のディープスカイが制した日本ダービーの例を見てみると、卍氏の買い目は実に142通りに及び、その購入総額は、274万3000円。そして、配当金額は、2099万5000円だったというのだ。

最後に、卍氏は、競馬で収支をプラスにするコツをこう語ってくれた。
「一般の競馬ファンの心理を逆手に取る。予想ファクターの数をできる限り多くする。破産しないように資金配分する。どんな買い方がベストなのか、研究と分析を怠らない。などが挙げられます。競馬では、血統やコース、調教、馬体、過去成績など、分析対象となるデータがとても多く、どれだけ分析しても、分析し尽くすことは不可能と思われます。また、時代の流れに応じて変化していくため、分析すべきデータも新たに出てきます。日々、研究することが大事です」

わずか3年の間に、競馬で1億5000万円を稼ぐ。夢のような話に聞こえるが、その裏には、卍氏の日々の分析と、大きな苦労があったのだ――。

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