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【武豊】 日本一のセリ「セレクトセール」報告

[週刊大衆08月10日号]

人生に役立つ勝負師の作法 武豊
日本一のセリ「セレクトセール」報告


「日本が一番きれいで、一番いいね」
今年、JRAの騎手免許を取ったミルコが、目を丸くした日本最大の競走馬セリ市、「セレクトセール2015」が、北海道苫小牧のノーザンホースパークで開催されました。

さすが、競馬に携わるすべての人が注目する一大イベント。会場ですれ違う人はみんな知った顔ばかり。牧場の関係者、馬主さん、調教師の先生、報道関係者、そしてジョッキー……と、競馬界がここに引っ越してきたような賑やかさと華やかさに包まれていました。

初日に行われた1歳馬の落札総額は……なんと、76億7286万円。一頭平均、約3654万円という数字は過去最高とのことで、会場に渦巻く熱気は、競馬人気復活への確かな手応えを感じさせてくれました。

ダービー3着馬、サトノクラウンの半弟で、ジョコンダⅡの2014(父ディープインパクト)。米国のトップ種牡馬、タピットを父に持つシャンパンドーロの2014。英愛のGⅠを3つも勝ったラッシュラッシーズの2014(父ディープインパクト)……どれもこれも素晴らしい馬ばかりで、わくわくしっぱなし。思わず、自分が乗ったときの姿を想像し、ひとりでニヤニヤしていました(笑)。

もう一人の外国人騎手、ルメールが目を細めていたのは、自身が手綱を取った名牝の初子、サラフィナの2014(父ディープインパクト)です。この馬を落札したオーナーから、「この馬で武豊騎手と凱旋門賞を勝つのが夢です」と直々に指名をいただいたことは騎手冥利に尽きるし、あらためて、「よし、頑張ろう」という気にさせてくれました。

2日目の当歳セールで注目されたのは、今年が初年度産駒となるオルフェーヴルとロードカナロアです。どちらも現役時代は僕との縁はありませんでしたが、その子となると話はまた別。
このなかの何頭が大舞台に行けるか

もしかすると、2年後には、オルフェーヴルやロードカナロアの子に跨った僕が、ディープの子と対決する……なんてことがあるかもしれません。ほんと、競馬というのは不思議で、どこまでも夢が広がります。

でも、いいことだけではありません。今年落札された馬のうち、何頭が無事にデビューを迎えられ、その後もケガなくクラシック戦線に出て来られるのか。本当の闘いはこれからです。騎手という立場で考えると、関東に入厩した時点でその馬との縁はなくなり、関西でも、つきあいのない厩舎から声がかかることはほぼありません。

そうして考えると、クラシック、とりわけダービーでコンビを組み、それに勝つというのは、いろんなことを乗り越え、ようやく一本の細い糸に辿り着いたものだけが味わえる栄光なのかもしれません。

だからこそ、すべての競馬関係者にとって、ダービー・オーナー、ダービー・トレーナー、ダービー・ジョッキーと呼ばれるのが、最高の栄誉であり、夢であり続けるのだと思います。


■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】 日本一のセリ「セレクトセール」報告

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